モルガン・スタンレー、ビットコインETFでコインベースとBNYメロンを起用
老舗投資銀行モルガン・スタンレーがビットコインETFの保管業務でコインベースとBNYメロンを選択。伝統的金融と暗号資産の融合が加速
168年の歴史を誇る老舗投資銀行モルガン・スタンレーが、ビットコインETFの保管業務でコインベースとBNYメロンを選択した。伝統的金融機関による暗号資産への本格参入が、また一歩前進したことを意味する。
老舗銀行の慎重な戦略
モルガン・スタンレーが3月4日にSECに提出した書類によると、同社の「モルガン・スタンレー・ビットコイン・トラスト」は、ビットコインの保管をコインベース・カストディとBNYメロンに委託する。BNYメロンは保管業務に加え、ファンド管理者、名義書換代理人、現金保管業務も担当する。
注目すべきは、その保管構造だ。ビットコインの大部分は、秘密鍵をインターネットから切り離した「コールドストレージ」で保管される。ETFの設定・解約時のみ、一時的にトレーディングウォレットに移される仕組みだ。
価格算定にはCoinDesk Bitcoin Benchmark 4PM New York Settlement Rateを採用。これは主要現物取引所の取引データを集約し、ファンドの日次評価額を決定する指標である。
日本の金融機関への示唆
興味深いのは、この動きが日本の金融業界に与える影響だ。野村ホールディングス、大和証券グループ、SBIホールディングスなど、日本の大手金融機関も暗号資産分野への参入を模索している。
モルガン・スタンレーの選択は、暗号資産の機関投資家向けサービスにおいて「実績のある保管業者との提携」が重要であることを示している。日本でもSBI VCトレードやbitFlyerなどの暗号資産取引所が機関投資家向けサービスを強化しているが、伝統的金融機関との本格的な協業はまだ限定的だ。
規制環境の違いが生む機会
日本では2023年から暗号資産ETFの議論が活発化しているものの、米国ほど明確な道筋は見えていない。しかし、モルガン・スタンレーのような老舗金融機関の参入は、日本の規制当局にとっても参考事例となるだろう。
特に注目すべきは保険の扱いだ。今回の書類では「保管保険は存在するが、顧客間で共有されており、すべての潜在的損失をカバーしない可能性がある」と記載されている。これは日本の金融機関が暗号資産業務を検討する際の重要な検討事項となる。
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