メタがICE職員リスト共有を突然ブロック、言論統制の新たな局面
メタがICE職員の身元を公開するサイトへのリンク共有を突然禁止。トランプ政権復帰とテック企業の政治的立場変化が浮き彫りに。プラットフォームの中立性とは何か。
6か月間問題なく共有されていたリンクが、突然ブロックされた。メタがICE Listというサイトへのリンク共有を禁止したのは、トランプ大統領就任式でマーク・ザッカーバーグがトランプの後ろに座った翌週のことだった。
突然の方針転換
ICE Listは、国土安全保障省(DHS)職員の名前を公開するウェブサイトで、創設者のドミニック・スキナー氏によると、移民取締当局(ICE)職員の責任追及を目的としている。同サイトは昨年6月から運営されており、5人のコアチームと数百人の匿名ボランティアが全米各地のICE職員に関する情報を収集してきた。
しかし月曜日の夜、ボランティアたちがFacebook、Instagram、Threadsでリンクを投稿できなくなったと報告。WhatsAppでは依然として共有可能だが、他のメタ傘下プラットフォームでは完全にブロックされている。
興味深いのは、ブロックの理由説明が一貫していないことだ。Facebookでは「スパムのようなコンテンツ」から「コミュニティ基準に違反」へと数時間で説明が変更され、Instagramでは「コミュニティを守るため」、Threadsでは単に「リンクは許可されていません」と表示される。
タイミングが語るもの
ICE Listは今月初め、4,500人のDHS職員の情報を掲載したと発表して注目を集めた。ただし、WIREDの分析によると、この情報の大部分は職員自身がLinkedInなどで公開していたものだった。
スキナー氏は「トランプの就任式で彼の後ろに座り、ホワイトハウスの破壊に寄付した男が経営する会社が、ICE職員の匿名性を保護する立場を取ったのは驚くことではない」とメタを批判している。
実際、トランプ政権は「ICE職員の身元暴露」を行う者の起訴を示唆し、テック企業にもこうした活動のブロックを求める圧力をかけている。メタの対応は、この政治的圧力への反応と見られても仕方がない。
プラットフォームの責任とは
メタの広報担当者アンディ・ストーン氏は、個人識別情報の共有を禁止するポリシーを理由に挙げているが、ICE Listに掲載された情報はメタが定義する個人識別情報には該当しないように見える。
ここで浮かび上がるのは、プラットフォームの中立性という根本的な問題だ。日本でもLINEやTwitter(現X)が政府からの要請でコンテンツを削除することがあるが、その基準や過程の透明性は十分とは言えない。
特に注目すべきは、同じメタでもWhatsAppでは共有可能という点だ。これは技術的制約ではなく、意図的な選択を示している。エンドツーエンド暗号化を売りにするWhatsAppでは、メタ自体がメッセージ内容を監視できないためと考えられる。
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