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暗号資産法案をめぐる「銀行 vs 業界」の攻防
経済AI分析

暗号資産法案をめぐる「銀行 vs 業界」の攻防

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米国の暗号資産市場構造法案「クラリティ法」をめぐり、銀行業界と暗号資産業界が激しく対立。トランプ大統領も介入した交渉の行方と、日本市場への影響を読み解く。

「銀行か、暗号資産か」——米国の金融の未来を決める法案が、いま瀬戸際に立っています。

何が起きているのか

米国議会では現在、デジタル資産市場クラリティ法(Digital Asset Market Clarity Act)と呼ばれる暗号資産の市場構造に関する包括的な法案をめぐり、水面下で激しい交渉が続いています。2026年3月時点での最大の焦点は、ステーブルコインに「利回り(yield)」を付与できるかどうかという一点に絞られています。

構図はシンプルです。暗号資産業界側は、ステーブルコインの保有者に銀行預金の利息に相当する報酬を与えることを求めています。一方、JPモルガン・チェースバンク・オブ・アメリカなどの大手銀行は、それが実質的に銀行預金の代替品になると主張し、強く反発しています。

この対立に、ドナルド・トランプ大統領自身が介入しました。自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に投稿し、「銀行はクラリティ法を人質にしようとしている」と銀行側を名指しで批判。さらに、トランプ大統領の息子であるエリック・トランプ氏も「大銀行は反消費者的で、反アメリカ的だ」とSNSで激しく非難しました。エリック氏は、トランプ家が一部所有する暗号資産企業ワールド・リバティ・ファイナンシャルのアドバイザーを務めており、同社自身もステーブルコインビジネスを展開しています。

なぜ今、この法案が重要なのか

クラリティ法は、暗号資産業界が「最優先政策目標」と位置づける法案です。すでにGENIUS法(ステーブルコイン規制法)が成立したことで、暗号資産の制度化は第一段階をクリアしました。クラリティ法はその「次のステップ」として、どの暗号資産が証券でどれが商品(コモディティ)に分類されるかを明確にし、業界全体のルールを整備することを目指しています。

ただし、時間は限られています。米国の上院では審議時間が慢性的に不足しており、2026年夏には中間選挙に向けた政治活動が本格化します。専門家によれば、実質的な審議の窓は「あと数カ月」しか残っていない可能性があります。

現状では、JPモルガンCEOのジェイミー・ダイモン氏がCNBCのインタビューで「取引や活動に対する報酬は認め得る」と述べるなど、妥協の余地が見えてきました。ただし、「銀行の普通預金口座の利息に相当するような利回り」には依然として反対姿勢を示しています。上院銀行委員会の共和党議員トム・ティリス氏と民主党議員アンジェラ・アルソブルックス氏が法案の行方を握る鍵を持っており、両者が「前進」を決断すれば、委員会での審議(マークアップ)が動き出します。

銀行 vs 暗号資産:それぞれの論理

観点銀行業界の主張暗号資産業界の主張
ステーブルコイン利回り銀行預金の代替になり、金融システムを不安定化させる消費者に高い利回りを提供する正当な競争
規制の公平性預金を扱うなら銀行と同じ規制を受けるべき異なるビジネスモデルに同じ規制は不合理
消費者保護預金保険のない商品はリスクが高い透明性の高い分散型システムが消費者を守る
政治的立場既存の金融秩序の安定を優先米国の「暗号資産大国」化を推進

日本市場への影響を考える

この法案の行方は、日本の金融・暗号資産市場にとっても無関係ではありません。

日本はすでに金融庁による暗号資産の包括的な規制枠組みを持ち、世界でも比較的早期に制度化を進めてきた国の一つです。しかし、米国がステーブルコインと市場構造の明確なルールを確立すれば、グローバルな規制の「基準点」が米国に移る可能性があります。

三菱UFJみずほなどのメガバンクは、独自のデジタル通貨・ステーブルコインの研究・実証実験を進めています。米国でステーブルコインへの利回り付与が認められた場合、日本の規制当局も同様の議論を迫られる可能性があります。また、ソニーのSoneiumやNTTのブロックチェーン関連事業など、日本企業のWeb3戦略にも影響が及ぶ可能性があります。

一方で、日本の個人投資家にとってより直接的な問題もあります。現在、日本では暗号資産の利益は「雑所得」として最大55%の税率が適用されます。米国の規制が整備されることで、日本国内でも税制の見直し議論が加速するかもしれません。

本コンテンツはAIが原文記事を基に要約・分析したものです。正確性に努めていますが、誤りがある可能性があります。原文の確認をお勧めします。

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