フランス極左学生殺害事件が政治地図を塗り替える
リヨンでの学生殺害事件により、フランスの極左政党が孤立の危機に。極右政党の正常化が進む可能性が浮上している。
2月12日、リヨンの大学キャンパス近くで起きた暴行事件の映像は衝撃的だった。マスクとフードで顔を隠した若者たちが、地面に倒れた学生を繰り返し殴打し、蹴りつける。被害者のカンタン・デランクは頭部外傷で死亡した。
この事件が、フランス政治の根本的な構造を変える可能性が浮上している。これまで50年間、フランス政界で「触れてはならない存在」とされてきたのは極右政党の国民連合(RN)だった。しかし今回の殺人事件により、その汚名が極左政党不屈のフランス(LFI)に移る可能性が出てきた。
極左組織との深い関係性
デランクを殺害した疑いで起訴された7人の容疑者は全員、昨年禁止された青年衛兵という組織のメンバーまたは関係者だった。この組織は2018年にLFI議員のラファエル・アルノーが設立し、以前はLFIの警備を担当していた。
容疑者の一人であるジャック=エリ・ファヴロは、アルノー議員の有給議会補佐官として働いていた。また、殺人罪で起訴されたアドリアン・ベセイルも、弁護士によればアルノー議員のチームで働いていたという。
捜査判事によると、容疑者らは殺意を否認している。2人は黙秘権を行使し、残りは現場にいたことを認め、一部は暴行を加えたことも認めているという。
政治的均衡の変化
この事件の政治的影響は計り知れない。これまでフランスでは、極右政党に対して他の政党が「防疫線」を築き、選挙で協力して極右の勝利を阻止してきた。2024年の総選挙では、第1回投票でRNが優勢だったにも関わらず、第2回投票でエマニュエル・マクロン派と左派候補が協力し、RNの議席数を120議席程度に抑えた。
しかし、この協力体制はLFIが「共和制の枠組み」内の政党、つまり受け入れ可能な政党と見なされていたからこそ可能だった。もしLFIが孤立すれば、社会党(約70議席)や中道派(約160議席)がLFIとの協力を拒否し、極右に対する阻止勢力が崩壊する可能性がある。
極右の「正常化」への道筋
保守紙フィガロのコメンテーター、ギヨーム・タバールは「デランクの死以降、政治情勢が変化した」と指摘する。「メランションの政党は、政界とメディアで最も非難される組織となった。RNにとっては棚からぼた餅だ。半世紀にわたってその地位にあったのは彼らだったのだから」
実際、マリーヌ・ル・ペンと党首のジョルダン・バルデラは、これまでRN自身が疑わしい「警備」組織や問題のある候補者との関係で批判されてきた。今回は彼らが口を開く必要もない。中道派、保守派、穏健左派が一斉にLFI批判キャンペーンに参加している。
日本から見た意味
フランスの政治的混乱は、日本の政治状況と興味深い対比を示している。日本では戦後一貫して、極端な政治勢力が主流政治から排除され、相対的な安定が保たれてきた。しかし、フランスの事例は、政治的暴力が既存の政治秩序をいかに急速に変化させうるかを示している。
来月実施される地方選挙、そして2027年の大統領選挙・議会選挙への影響は甚大だろう。もし極左が孤立し、極右が「正常化」されれば、フランスの政治地図は根本的に塗り替えられる可能性がある。
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