ホルムズ海峡封鎖、日本の「集団的自衛権」発動は見送り
イランによるホルムズ海峡封鎖を受け、日本政府は集団的自衛権行使の判断を慎重に検討中。エネルギー安全保障と外交バランスの狭間で揺れる日本の選択とは。
40%——これは日本の石油輸入量のうち、ホルムズ海峡を通過する割合だ。この生命線が事実上封鎖された今、日本政府は重大な判断を迫られている。
封鎖の現実と日本の立場
イランによるホルムズ海峡の封鎖は、日本がかつて集団的自衛権行使の根拠として挙げていたシナリオそのものだった。しかし現政府は「まだ存立危機事態には当たらない」との判断を示し、慎重な評価を続けている。
海上自衛隊の掃海艦艇による機雷除去は、他国による武力攻撃の一環として敷設された機雷を対象とする場合、武力行使と見なされる可能性がある。この法的な複雑さが、日本の対応を一層困難にしている。
日本船主協会は既にホルムズ海峡を通るエネルギー輸送やその他の交通が遮断されたと発表。カタールも液化天然ガス(LNG)生産を停止するなど、影響は拡大の一途をたどっている。
エネルギー安全保障の現実
日本のエネルギー政策は長年、中東依存からの脱却を掲げてきた。しかし現実は厳しい。石油の83%を中東に依存し、LNGでも30%近くを同地域から輸入している。
トランプ政権は今回のイラン攻撃が「4~5週間続く可能性があるが、さらに長期化する恐れもある」と警告。日本企業は既に代替調達先の確保に奔走しているが、短期的な供給不足は避けられそうにない。
オーストラリアの企業は戦争保険料の急激な上昇に衝撃を受けており、日本の輸入コストも同様の影響を受けることは確実だ。
外交と安全保障の狭間で
興味深いのは、日本が集団的自衛権の行使を見送った背景だ。2015年の安保法制では、ホルムズ海峡での機雷除去が具体例として挙げられていた。しかし実際の危機に直面した今、政府は別の道を選択している。
一つの要因は中国の存在だ。北京は今回の危機で「困難な計算」を強いられており、日本も同様に米国との同盟関係とエネルギー安全保障のバランスを取る必要に迫られている。
イランとの伝統的な友好関係も考慮要因だ。日本は長年、米国とイランの橋渡し役を自任してきた。軍事行動への参加は、この外交資産を失うリスクを伴う。
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