イタリアが描く「地中海からインド太平洋へ」の新戦略
メローニ首相の日韓歴訪が示すイタリアの新たなインド太平洋戦略。地中海とアジア太平洋を結ぶ「グローバル地中海」構想の真意とは。
地中海の国イタリアが、なぜアジア太平洋に目を向けるのか。ジョルジャ・メローニ首相の2年間で3回目となる日本訪問、そして韓国への歴訪は、単なる外交儀礼を超えた戦略的意図を物語っています。
「遠い海」から「つながる海」へ
メローニ首相と高市早苗首相の会談で合意された「特別戦略的パートナーシップ」は、イタリアにとって画期的な転換点です。従来、インド太平洋は「遠い劇場」と見なされていましたが、イタリアは今、これを「拡大地中海の延長」として位置づけています。
この発想の転換には、安倍晋三元首相が提唱した「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想が大きな影響を与えています。しかし、イタリアの解釈はユニークです。インド太平洋を西に延長し、地中海まで含む「インド地中海」という概念で、ヨーロッパとアジアの海洋安全保障を一体的に捉えているのです。
防衛協力から見える本気度
言葉だけではない、具体的な行動がイタリアの本気度を示しています。2024年、イタリア海軍の空母カヴールがインド太平洋初の大規模展開を実施。海上自衛隊との合同訓練では、いずもとかがとの連携も行われました。
特に注目すべきは、日英伊が共同で進める次世代戦闘機計画「GCAP(Global Combat Air Program)」です。これは単なる兵器開発を超え、技術的自立性を高める戦略的な取り組みです。大規模な戦力投射なしに、防衛・産業協力を通じて戦略的連携を深める、イタリアらしいアプローチといえるでしょう。
経済安全保障という新たな戦場
軍事協力以上に重要なのが、経済安全保障分野での連携です。両首脳は重要鉱物のサプライチェーン強化で合意しました。これは、半導体、AI、宇宙技術といった先端分野での協力を意味します。
日本は米国主導の「パクス・シリカ」(半導体覇権)の中核的存在です。イタリアにとって、世界第2位の半導体生産国である日本との連携は、長期的な繁栄と強靭性の基盤となります。韓国(世界第3位)との関係強化も、同様の文脈で理解できます。
「マッテイ計画」が示す三角協力
イタリアの戦略で興味深いのは、アフリカとの関係を活用した「三角協力」の発想です。メローニ政権の「マッテイ計画」は、アフリカとの資源・インフラ協力を通じて、インド太平洋諸国との連携を深める構想を含んでいます。
2025年6月、メローニ首相とEUのフォン・デア・ライエン委員長は、アンゴラのロビト回廊プロジェクトを通じた伊EU共同投資で合意しました。これは、インド太平洋、ヨーロッパ、アフリカを結ぶ多国間協力の好例です。
中国との微妙なバランス
イタリアの戦略で注目すべきは、中国に対する慎重なアプローチです。2024年の一帯一路構想からの離脱は、「断絶」ではなく「正常化」として位置づけられました。経済関係を維持しながら、政治的リスクを限定する巧妙な外交です。
選択的関与という方針は、イタリアの現実的な制約を反映しています。同国は地域への大規模な軍事投射能力に限界があり、ヨーロッパにより近い安全保障課題を優先せざるを得ません。
本コンテンツはAIが原文記事を基に要約・分析したものです。正確性に努めていますが、誤りがある可能性があります。原文の確認をお勧めします。
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