移民取締官たちの内部告発:「逮捕報告書に嘘を書いている」
ICE職員向けフォーラムで暴露された移民取締の実態。虚偽報告、人権侵害、統計操作の疑惑が浮上。トランプ政権下の強硬策に現場から批判の声。
5000人を超える現役・元移民取締官が集まるオンラインフォーラムで、衝撃的な内部告発が相次いでいる。「逮捕報告書に嘘を書くのをやめろ」「統計は完全にでたらめだ」——トランプ政権の移民取締強化の裏で、現場の職員たちが組織の問題を赤裸々に暴露している。
現場からの悲痛な叫び
移民税関捜査局(ICE)と税関国境警備局(CBP)の職員が集まるこのフォーラムは、10年以上の歴史を持つ非公式の情報交換の場だ。ここで職員たちは、長時間労働、限られた残業代、無能な指導部、訓練不足の新人への不満を吐露している。
1月19日、ある職員が「辞職したい、もうストレスに耐えられない」というスレッドを立てた。18年間の勤務経験を持つこの職員は、「24時間未満の通知での強制出張、週末返上の勤務、これまでにない業務量」について訴えている。
「これは50代の我々がキャリアの最後に思い描いていたものではない」と、退職まで2.3年を残すこの職員は書き込んでいる。
統計操作と虚偽報告の疑惑
より深刻なのは、逮捕や送還の統計が意図的に操作されているという告発だ。国土安全保障省(DHS)は「67万5000人以上の不法滞在者を送還し、推定220万人が自主的に出国した」と発表している。
しかし、フォーラムの投稿者は「統計は完全にでたらめだ。政権がこれを知っているのか、それとも偽の数字を使って知らないふりをしているのかわからない」と主張している。
別の職員は、同一の逮捕が複数回カウントされていると証言する。「タスクフォースを通じて逮捕を行うと、その単一の逮捕が関与したすべての機関によって個別に報告される。実際の数字は報告されている4分の1程度だろう」
人権侵害への懸念
最も深刻な告発は、逮捕報告書の虚偽記載についてだ。ある職員は「ERO(強制送還作戦部門)とCBPとBP(国境警備隊)よ、213報告書で嘘を書くのをやめろ!」と激しく非難している。
213報告書とは、職員が容疑者との接触を記録する公式文書だ。この職員によると、「対象者と全く似ていない人物が話すことに同意し、不法滞在者だと自己申告したと虚偽の記述をしている」という。
実際に、移民取締官による誤認逮捕や暴力的な取締が相次いでいる。ミネソタ州では、メキシコ出身だが4年間現地に住む男性が連邦職員に拘束された後、顔の骨折などの「生命に関わる重傷」を負った。ICEは「壁に頭をぶつけた」と主張したが、病院の看護師は「この人が壁に頭から突っ込むことはあり得ない」と証言している。
日本への示唆
日本でも外国人労働者の増加に伴い、入管行政への注目が高まっている。アメリカの現状は、強硬な取締政策が現場にもたらす問題を浮き彫りにしている。
日本の出入国在留管理庁は、アメリカほど大規模な取締は行っていないが、収容施設での死亡事件や長期収容問題など、構造的な課題を抱えている。職員の労働環境や組織文化も、適切な人権保護の観点から重要な要素となる。
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