軍事戦術で移民取締り、ICE「戦場ごっこ」の危険な現実
元軍人が告発するICE捜査官の軍事風戦術。民間法執行機関が軍隊を模倣することで生まれる戦略的問題と社会への影響を分析
6週間半の訓練を受けただけのICE(移民税関執行局)捜査官が、2004年のファルージャ攻略戦のような装備で民間人の家に踏み込んでいる。元軍人の匿名証言が明かす、アメリカ国内で展開される「戦場ごっこ」の実態だ。
映画の真似事で武装する捜査官たち
トム・ホーマン国境政策責任者がミネアポリスを「作戦地域」と呼んだ木曜日、ICEの軍事風作戦がまた注目を集めた。しかし軍事専門家の目には、彼らの行動は戦術的に破綻して見える。
防弾ヘルメット、プレートキャリア、脚部のマガジンポーチ―ICEの装備は重武装だが、実際の歩兵なら「死んでも持ちたくない」ほど武器に過剰なアタッチメントを付けている。重量が増すほど戦闘では不利になるからだ。
戦術面では更に問題が深刻だ。ICE捜査官は入口で密集し、軍人なら「手榴弾一発で全滅」と呼ぶような危険な隊形を取る。武器の扱いも不適切で、撃つ意図のない対象に銃口を向ける―軍事訓練の基本に反する行為だ。
対反乱戦の教訓を無視した強硬策
20年間のイラク・アフガニスタン戦争で、アメリカ軍は重要な教訓を学んだ。無意味な戦闘エスカレーションは更なる暴力を招き、民間人犠牲者の家族をテロリスト予備軍に変えてしまう。そのため部隊は可能な限り緊張緩和を図り、暴力には比例的だが圧倒的な反撃で応じる戦術を身につけた。
しかしICEは正反対のアプローチを取る。脅迫、威嚇、暴行で緊張を高め、時には武装していない*アメリカ市民2名を射殺した。メイン州の保安官が「三流の警察活動」と批判した通り、彼らの行動は混乱と敵意を生むだけだ。
スティーブン・ミラー政策担当副首席補佐官は昨年10月、ICE捜査官に「連邦免責特権」があると発言し、より暴力的な戦術を推奨した。それ以降、ICEの行動は一層過激化している。
「統制理論」が示唆する戦略的意図
軍事戦略の観点から見ると、ICEの戦術は二つの可能性を示唆する。一つは戦略なき混乱―国民支持を維持しながら強制送還を増やすなら、現在の手法は逆効果だ。
もう一つは「統制理論」の実践だ。これは中国やロシアのような権威主義国家で見られる手法で、恐怖戦術で暴力的抵抗を誘発し、それを口実に法律を変更してテロや反逆の定義を拡大する。混乱の中で他の政策を推進する「危機による統治」の一形態だ。
歴史的に見て、受け入れ国―この場合はカリフォルニア、イリノイ、オレゴン、ミネソタ、メイン各州―は長期的な虐待的行為を容認しない。戦術が戦略と切り離されれば、最終的に戦略的失敗を招く。
戦争の最悪の部分が帰還した
証言者の元軍人は、ICEの作戦を「対テロ戦争の最悪の部分が故郷に戻ってきた悪夢」と表現する。効果のない顔認識スキャン、装備オタク、深夜の急襲作戦―すべてが既視感に満ちている。
監視国家のメカニズムが戦場から帰還し、任務遂行を最優先とする文化がイエスマンの世代を育てた。重武装車両が近隣の街路を走り回る光景は、もはや海外の戦場だけのものではない。
ICEは軍事組織ではなく民間法執行機関だ。アメリカの敵と戦っているわけでもない。軍人もICE捜査官もアメリカ合衆国憲法を守る誓いを立てているが、ICEは日々その憲法外行為をテレビやスマートフォン画面で誇示している。
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