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顔認識アプリが移民取締りの最前線に 監視社会の新たな現実
テックAI分析

顔認識アプリが移民取締りの最前線に 監視社会の新たな現実

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米国土安全保障省が移民取締り用顔認識アプリ「Mobile Fortify」の詳細を公開。市民も対象となる監視技術の実態と社会への影響を探る。

239億円。これは、日本企業NECが米国土安全保障省と結んだ生体認証契約の金額です。この契約で開発されたのが、連邦移民取締り官が現場で使用する顔認識アプリ「Mobile Fortify」—不法移民だけでなく、米国市民も識別対象となる監視ツールです。

現場で稼働する「顔認識捜査官」

米国土安全保障省が水曜日に公開した2025年AI使用事例インベントリーによると、Mobile Fortifyは税関・国境警備局(CBP)で昨年5月から、移民・関税執行局(ICE)では2025年5月20日から運用が開始されています。

このアプリの機能は想像以上に包括的です。顔写真の撮影はもちろん、「非接触」指紋採取、身分証明書の写真撮影まで可能。収集されたデータは政府の生体認証照合システムに送信され、AIが既存記録との照合を行います。ICEによると、身分証明書からのテキスト抽出による「追加チェック」も実施されているといいます。

NECのウェブサイトでは、「Reveal」という顔認識ソリューションを宣伝しており、「あらゆる規模のデータベースに対する一対多検索または一対一照合」が可能だと謳っています。2020年から2023年の契約書には、「無制限の顔画像数量、無制限のハードウェアプラットフォーム、無制限の場所」での使用が明記されていました。

「信頼できる旅行者」データの活用

特に注目すべきは、CBPが*TSA PreCheckGlobal Entry*といった「信頼できる旅行者プログラム」のデータを、Mobile Fortifyの訓練、微調整、性能評価に使用していると明かした点です。

これらのプログラムは、事前審査を受けた旅行者が空港での手続きを簡素化できる便利なサービスとして親しまれてきました。しかし、そのデータが移民取締りの監視技術に流用されているという現実は、多くの利用者にとって予想外の展開でしょう。

実際に、ミネソタ州の女性は連邦捜査官との接触後、Global EntryTSA PreCheckの特権を取り消されたと証言しています。別の事件では、拘束された個人に対し捜査官が「この車両の登録所有者は、この後の旅行で楽しい時間を過ごすことになるだろう」と告げたという証言もあります。

誤認識の代償と不完全な監視体制

顔認識技術の精度向上が叫ばれる一方で、誤認識による深刻な被害も報告されています。404 Mediaの報道によると、ある女性がMobile Fortifyによって2回も誤認識され、拘束される事態が発生しました。

より深刻なのは、監視体制の不備です。CBPは「十分な監視プロトコル」があると主張する一方、ICEは監視プロトコルの開発が「進行中」であることを認めています。連邦政府のガイダンスでは、「高影響度」のAI使用事例については展開前にAI影響評価の完了が義務付けられているにも関わらず、両機関とも評価完了前に展開したことを示唆しています。

日本企業の技術が支える米国監視社会

NECという日本企業の技術が、米国の移民監視システムの中核を担っているという事実は、日本の読者にとって複雑な意味を持ちます。同社は長年にわたり生体認証技術のリーダーとして世界市場で活躍してきましたが、その技術が市民の自由とプライバシーに影響を与える用途に使われているのです。

日本国内でも、マイナンバーカードの普及や顔認識技術の社会実装が進む中、技術の利便性と監視社会化のバランスをどう取るかは重要な課題となっています。

本コンテンツはAIが原文記事を基に要約・分析したものです。正確性に努めていますが、誤りがある可能性があります。原文の確認をお勧めします。

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