IBM、12年ぶり高成長の裏で見えるAI時代の新戦略
IBMが12%の売上成長を達成し、AI事業125億ドルを記録。110年連続配当継続の老舗企業が描くAI時代の生存戦略とは?
125億ドル。IBMが発表した生成AI事業の規模は、同社の変革の象徴的な数字だった。1月29日に発表された第4四半期決算で、同社は売上高12%増という近年稀に見る高成長を記録し、市場予想を大きく上回った。
数字が語る復活劇
IBMの第4四半期売上高は196.9億ドルで、市場予想の192.3億ドルを上回った。調整後1株当たり利益は4.52ドルと、予想の4.32ドルを超えた。特に注目すべきは、ソフトウェア部門が14%増の90億ドル、インフラ部門が21%増の51億ドルと、両部門が力強い成長を見せたことだ。
アービンド・クリシュナCEOは「2025年は売上、利益、フリーキャッシュフローのすべてで予想を上回った強い年だった」と述べた。同社のメインフレームIBM Z Systemsは前年同期比67%増という驚異的な成長を記録している。
AI投資の成果が現れ始めた
IBMの生成AI事業が125億ドル規模に達したのは偶然ではない。同社は早期からAIへの投資を続け、Red Hatの買収や自動化技術の強化を通じて、企業向けAIソリューションの構築に注力してきた。
2026年の売上成長率は5%超を見込むと発表したが、これは2025年の8%からは減速する。しかし、フリーキャッシュフローは10億ドル増の見通しで、収益性の向上が期待される。
日本企業にとって興味深いのは、IBMのメインフレーム事業の復活だ。金融機関や製造業で重要なシステムを支える同技術は、日本の大手銀行や商社でも広く使用されている。IBMの成長は、これらの日本企業のIT投資動向とも密接に関連している。
110年続く配当の意味
IBMは1株当たり1.68ドルの配当を承認し、これで110年連続の四半期配当となる。この記録は単なる数字以上の意味を持つ。激しい技術変化の中で、同社が安定性と成長性の両立を目指していることの表れだ。
日本の投資家にとって、長期配当継続は魅力的な要素だが、同時に疑問も生まれる。AI時代の急速な変化の中で、従来のIT企業はどこまで適応できるのか。IBMの成功は、レガシー企業でもAI時代に対応できることを示している。
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