グラブが300%の高金利でライダーを搾取、東南アジアのギグエコノミーの闇
フィリピンのグラブライダーが年率300%近い高金利でアプリ内融資を受けている実態が判明。東南アジアのギグエコノミーが抱える構造的問題とは?
マニラの交通渋滞の中、バイクで配達を続けるライダーのジョンさん(仮名)は、グラブのアプリで500ペソ(約1,400円)を借りた。「ガソリン代が足りなくて、仕方なく」と語る彼が支払う実質年利は230%を超える。
これは、東南アジア最大のライドシェア・フードデリバリープラットフォームグラブが、フィリピンの運転手や配達員に提供するアプリ内融資の実態だ。この金利は、クレジットカード会社の上限金利の5.5倍にも達する。
日割り返済が生む金利の罠
グラブの融資システムの特徴は、返済が日割りで行われることだ。表面的には低く見える金利でも、短期間での返済義務により実質年利が跳ね上がる仕組みとなっている。
フィリピン中央銀行の規制では、消費者金融の年利上限は42%に設定されているが、グラブのような「テック企業」による融資は規制の隙間に位置している。同社は「金融サービス提供者ではなく、テクノロジープラットフォーム」との立場を取っている。
日本企業も注目すべき点がある。ソフトバンクグループはグラブの主要株主の一つであり、こうした高金利融資の実態について株主としての責任が問われる可能性もある。
ギグエコノミーの構造的矛盾
東南アジアのギグエコノミーは急速に拡大している一方で、働き手の経済的脆弱性も浮き彫りになっている。国際労働機関の調査によると、フィリピンのギグワーカーの60%が月収15,000ペソ(約4万円)以下で生活している。
日本でも同様の課題が存在する。Uber Eatsや出前館で働く配達員の多くが、車両維持費や燃料費の調達に苦慮している現実がある。ただし、日本では貸金業法により年利20%の上限が厳格に適用されており、フィリピンのような高金利融資は法的に不可能だ。
規制当局の対応と業界への波及
フィリピン証券取引委員会は、グラブの融資慣行について調査を開始したと発表している。同様の問題は、インドネシアやタイでも報告されており、東南アジア全体でのプラットフォーム規制強化の議論が活発化している。
日本の金融庁も、海外展開する日系企業に対してESG投資の観点から、投資先企業の社会的責任について注意喚起を行っている。三菱UFJ銀行やみずほ銀行など、東南アジアに展開する日系金融機関にとっても、現地のフィンテック規制動向は重要な関心事項となっている。
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