マクロン大統領の訪日、なぜ今なのか?
フランスのマクロン大統領が3月末に訪日予定。インド太平洋戦略と重要鉱物をめぐる日仏協力の新たな局面とは?
フランスのエマニュエル・マクロン大統領が3月末から4月2日にかけて日本を訪問する予定であることが明らかになった。関係筋によると、今回の訪問ではインド太平洋地域の安全保障と重要鉱物の確保について議論される見通しだ。
欧州の「アジア回帰」が加速
マクロン大統領の訪日は、欧州諸国のアジア重視戦略の一環として位置づけられる。フランスは既にインド太平洋地域に海外領土を持ち、この地域での影響力維持に強い関心を示してきた。特に、中国の台頭と米中対立が激化する中、フランスは日本との連携強化を通じて地域バランスの維持を図ろうとしている。
重要鉱物の確保も今回の訪問の重要なテーマだ。電気自動車用バッテリーや半導体製造に不可欠なリチウム、コバルト、レアアースなどの安定供給は、両国にとって経済安全保障の核心的課題となっている。中国が世界の重要鉱物サプライチェーンで70%以上のシェアを握る現状において、日仏両国は代替調達先の開拓と技術協力の必要性を痛感している。
日本企業への新たな機会
マクロン大統領の訪日は、日本企業にとって新たなビジネス機会をもたらす可能性がある。フランスは原子力技術で世界をリードしており、日本の原発再稼働や次世代原子炉開発において技術協力の余地は大きい。また、フランス企業が持つアフリカでの鉱物資源開発ネットワークは、日本企業の資源確保戦略にとって魅力的なパートナーシップの機会を提供する。
一方で、この協力には課題も存在する。フランスの国益重視の姿勢は時として日本の多国間協調アプローチと摩擦を生む可能性がある。また、フランス企業の参入により、既存の日本企業の事業領域で競争が激化することも予想される。
変わりゆく国際秩序への対応
マクロン大統領の訪日は、単なる二国間関係の強化を超えた意味を持つ。アメリカの「アメリカ・ファースト」政策の継続により、従来の西側秩序が揺らぐ中、中間国家による新たな連携の模索が活発化している。フランスと日本という、それぞれの地域で影響力を持つ民主主義国家の協力は、多極化する世界における「第三の極」形成の試みとも解釈できる。
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