欧州最大のザポリージャ原発、6基の原子炉が沈黙する中で続く危うい均衡
ウクライナのザポリージャ原発(ZNPP)の現状とリスクを解説。ロシアによる占拠から3年、6基の原子炉が冷温停止する中で続く外部電源喪失の危機やIAEAの警告、国際社会の動向を Chief Editor が分析します。
欧州最大の原発が沈黙を守っています。しかし、その静寂はいつ破られてもおかしくありません。 ロイター通信によると、ウクライナのザポリージャ原子力発電所(ZNPP)は、2022年3月にロシア軍に占拠されて以来、世界で最も危険な紛争地の一つとなっています。現在、全6基の原子炉は「冷温停止」状態にありますが、外部電源の喪失や冷却水の不足といったリスクが常に付きまとっています。
繰り返される非難の応酬と現場の混乱
現場の状況は極めて不透明です。ロシア側はウクライナ軍によるドローン攻撃が続いていると主張し、対するウクライナ側はロシアが原発を軍事拠点化し、自作自演の攻撃を行っていると反論しています。IAEA(国際原子力機関)のラファエル・グロッシ事務局長は、「原子力安全の5つの基本原則」が守られていない現状に繰り返し警鐘を鳴らしています。特に、熟練した技術者の不足は深刻で、かつて11,000人いた従業員は大幅に減少していると伝えられています。
国際社会が懸念する最悪のシナリオ
専門家が最も懸念しているのは、外部電源の完全な喪失です。原発は停止中であっても、核燃料を冷却し続けるために電力を必要とします。これまでにZNPPは少なくとも8回、外部電源との接続が遮断され、非常用ディーゼル発電機に頼る事態に陥りました。もし冷却機能が完全に停止すれば、核燃料の損傷、ひいては放射性物質の漏洩という事態を招きかねません。国際社会は非武装地帯の設定を求めていますが、交渉は平行線をたどったままです。
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