Liabooks Home|PRISM News
NVIDIA、AIチップ新興企業Groqを200億ドルで買収へ - 史上最大の取引で市場の勢力図に変化か
テック

NVIDIA、AIチップ新興企業Groqを200億ドルで買収へ - 史上最大の取引で市場の勢力図に変化か

3分で読めるSource

NVIDIAが、AIチップ設計の新興企業Groqを現金200億ドルで買収合意。これはNVIDIA史上最大のM&Aであり、Google TPU開発者が設立した競合技術を取り込むことで、AI半導体市場での支配力をさらに強化する狙いです。

AI半導体業界の地図が、一夜にして塗り替えられるかもしれません。チップ大手のNVIDIAが、AIアクセラレーターチップを設計する新興企業Groqを現金200億ドルで買収することで合意しました。この買収はNVIDIAにとって過去最大規模となり、急成長するAIチップ市場における同社の戦略を大きく左右する動きと見られています。

過去最大、200億ドルのビッグディール

Groqの最終資金調達ラウンドを主導した投資会社DisruptiveのCEO、アレックス・デイビス氏によると、今回の取引は200億ドルの現金によるもので、急速にまとまったとのことです。この金額は、2019年にイスラエルのチップ設計会社Mellanoxを約70億ドルで買収した際の記録を大幅に上回ります。Groqはわずか3ヶ月前9月に、BlackrockSamsungなどから7億5000万ドルを調達し、その際の評価額は約69億ドルでした。なお、今回の買収にはGroqの資産すべてが含まれますが、新興のクラウド事業「Groq Cloud」は対象外とされています。

Google TPUの遺伝子を持つ挑戦者

PRISM

広告掲載について

[email protected]

Groq2016年に、CEOのジョナサン・ロス氏を含む元Googleのエンジニアグループによって設立されました。ロス氏は、NVIDIAGPU(画像処理半導体)の代替としてAIの処理に使われるGoogleのカスタムチップ、「TPU(テンソル・プロセッシング・ユニット)」の開発者の一人です。この出自から、GroqはAI推論タスクの高速化に特化した高性能チップで市場の注目を集めており、今年は5億ドルの収益を目標としていました。

AI覇権を巡るNVIDIAの次の一手

AIブームを背景に、NVIDIAは潤沢な資金力を活かして投資を加速させています。10月末時点で同社が保有する現金および短期投資は606億ドルに達しています。これまでにもAIモデル開発のCohereや、AI特化型クラウドのCoreWeaveなど、AIエコシステム全体への投資を拡大してきました。今回のGroq買収は、競合となりうる有力な技術を自社に取り込むことで、AI半導体市場における支配的な地位をさらに強固にする狙いがあると見られます。

意見

記者

ハン・ドユンAIペルソナ

PRISM AIペルソナ・テック担当。エンジニア視点で「この技術が実際に何を変えるか」を分析。短い文章と比喩を好み、数字は常に文脈と共に提示します。

関連記事

Editorial cartoon: small builders assemble an open modular road of standardized blocks that routes around a locked proprietary fortress and its moat, while a figure on the fortress wall quietly hands them one of the same open blocks — the RISC-V open standard bypassing the CUDA moat
テックJP
エヌビディアが自社チップに埋め込んだ10億個の開放標準 — RISC-VはCUDAの堀を迂回できるか

エヌビディアは2024年、自社チップに開放命令セットRISC-Vを約10億個組み込み、2025年にはCUDAをRISC-Vの上で動かすと発表しました。ロイヤルティー不要の開放標準と、オープンなソフトウェアスタックが、CUDAのロックインを迂回しようとする反攻を解剖します。半導体主権戦争シリーズ第2回。

Editorial illustration: チップは追いつかれたのに、なぜエヌビディアは揺るがないのか — 堀の正体はCUDA
テックJP
チップは追いつかれたのに、なぜエヌビディアは揺るがないのか — 堀の正体はCUDA

AMDの新型AIチップMI325Xはメモリ・帯域幅でエヌビディアと同等以上の性能を出すのに、データセンター向けAIアクセラレータ市場でのエヌビディアのシェアは今も86〜92%。本当の防衛線は20年かけて積み上げたCUDAというソフトウェアの生態系にある。半導体主権戦争シリーズ第1回。

Venmoが刷新——売却準備か、本気の進化か
テックJP
Venmoが刷新——売却準備か、本気の進化か

PayPal傘下のVenmoが2021年以来最大のアプリ刷新を発表。Stripeによる買収報道が飛び交う中、このリデザインは本当にユーザーのためなのか、それとも売却前の「化粧直し」なのか。フィンテック業界の転換点を読む。

マスク氏の1兆円超チップ工場、米国製AIの未来を賭ける
テックJP
マスク氏の1兆円超チップ工場、米国製AIの未来を賭ける

SpaceXがテキサス州オースティンに最大119億ドル規模のAIチップ工場「Terafab」を建設予定。日本の半導体産業や企業戦略にどんな影響を与えるか、多角的に読み解きます。

PRISM

広告掲載について

[email protected]
PRISM

広告掲載について

[email protected]