「歴史の終わり」の終焉。欧州 地政学 2025:ポスト・アメリカ時代の混迷
2025年の欧州地政学を政治学者イヴァン・クラステフが分析。アメリカ中心のリベラルな国際秩序が終焉を迎え、欧州が直面する「ポスト・アメリカ時代」の混迷と新たなパワーバランスの台頭を解説します。
握手は交わされていますが、かつての信頼は揺らいでいます。欧州が直面しているのは、単なる政策の変化ではなく、自らが立脚していた世界そのものの崩壊です。
サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)のインタビューに応じた、著名な政治学者イヴァン・クラステフ氏は、2025年現在の欧州が「地政学的な眩暈(めまい)」に陥っていると警告しました。かつてアメリカが主導したリベラルな国際秩序は、もはや幻想ではなく明確な終焉を迎えたと指摘されています。
欧州 地政学 2025:アメリカ中心の秩序が消える日
クラステフ氏によれば、現在の状況は新型コロナウイルスのパンデミック以降に加速した大きな変化の帰結です。特に大きな衝撃となっているのは、アメリカが欧州を最優先事項として扱わなくなったという心理的なショックです。冷戦後の大西洋間秩序は薄れ、リベラルな秩序の終わりは今や避けられない現実となりました。
「歴史の終わり」というマニュアルの喪失
かつて「歴史の終わり」という概念は、ドイツをはじめとする多くの欧州諸国にとって、国家を運営するための共通の「マニュアル」でした。しかし、1989年以来の政治的遺産が揺らぐ中で、欧州はその影響力を維持する術を失いつつあります。中国とアメリカが未来を形作る中で、中堅国家たちが新たな席を求めて激しく争う中、欧州は自らの立ち位置を再定義することを迫られています。
記者
関連記事
戦後80年で築かれた「戦争なき世界」の二つの柱が崩れつつある。国連の忘れられた成功の歴史と、日本が直面する新たな国際秩序の現実を読み解く。
中国山西省の炭鉱で爆発事故が発生し、少なくとも90人が死亡。2009年以来最悪の惨事が示す、安全管理の構造的課題とエネルギー政策のジレンマを読み解く。
フランスがアフリカの民間セクターに2兆9000億円を投資。中国の影響力に対抗し、欧州の存在感を再構築しようとするマクロン大統領の戦略を多角的に読み解きます。
中国の職業高校で義務付けられたインターンシップ制度。16〜17歳の学生が過酷な労働環境で命を落とした事例が報告され、国際社会と企業の責任が問われています。日本企業のサプライチェーンにも無縁ではありません。
意見
この記事についてあなたの考えを共有してください
ログインして会話に参加