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トランプはなぜ「ネット最強」の座を失ったのか
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トランプはなぜ「ネット最強」の座を失ったのか

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イランのAI生成レゴ動画がTikTokで数百万回再生。米イラン戦争の裏で繰り広げられたミーム戦争は、トランプのネット支配の終焉を示すのか。情報戦の新局面を読む。

インターネット上で最も恐れられた男が、レゴのキャラクターに負けた。

2026年春、米国とイランの間で約12日間にわたる軍事衝突が起き、現在は不安定な停戦状態にある。しかしこの戦争には、もう一つの戦場があった。TikTok、Instagram、X(旧Twitter)上で繰り広げられた「ミーム戦争」だ。そしてその戦場では、世界最大の核保有国の大統領が、イランのプロパガンダアカウントに押されているように見える。

トランプという「ネットの頂点捕食者」

ドナルド・トランプが初めてSNSに本格参入した2015年以来、彼はインターネット上で圧倒的な存在感を示してきた。「グリーンランドを侵略する」という一言が地政学的波紋を呼び、Amazon株を一日で6%下落させた投稿もあった。共和党内の対立候補も民主党も、ネット上での舌戦でトランプに勝てた者はほとんどいなかった。

現代のインターネットスラングで言えば、トランプは「Chad(チャド)」だった。常に議論の勝者として君臨し、相手を「Virgin(ヴァージン)」——弱く、滑稽な敗者——に仕立て上げる存在。この「Chad対Virgin」のミームフォーマットは約10年前に生まれ、あらゆる対立構造に応用されてきた。

ところが2026年2月末以降、そのトランプが「Virgin」側に追いやられているという指摘が出始めた。挑戦者はイスラム共和国イランだ。

レゴとAIが生み出した「ミーム大国」イラン

イランのネット攻勢で最も注目を集めているのが、「Akhbar Enfejari(爆発的ニュース)」というYouTubeチャンネルが制作するAI生成のレゴ風動画シリーズだ。内容は一貫している——ベンジャミン・ネタニヤフ首相に操られ、右往左往するトランプの姿を描き、星条旗に覆われた棺桶を映し出す。ある動画では、トランプが泣きながらタコスを食べ、白旗を掲げる場面で終わる。「TACO」はトランプ批判者の間で「Trump Always Chickens Out(トランプはいつも逃げる)」の頭文字として使われるスラングだ。

これらの動画は、TikTok・Instagram・X上で数万の「いいね」と数百万回の再生を記録している。同チャンネルは『ニューヨーカー』誌の取材に対し「イラン政府との公式な関係はない」と述べているが、少なくとも一つの国営メディアが動画を転載しており、エルサレム・ポスト紙はイランの国営メディア財団「Revayat-e Fath」の透かしが入った動画の存在を報じている。

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さらに、イランの在ケニア大使館の公式アカウントがジェフリー・エプスタインとトランプの関係に言及し、在南アフリカ大使館とみられるアカウントがトランプを「サイコパス」と呼ぶなど、外交公式チャンネルまでもがミーム的な発信を行っている。

なぜトランプの「魔法」は効かなくなったのか

独立系ニュースメディア「Popular Front」の創設者、ジェイク・ハンラハン氏はこう分析する。「トランプが乗ってきたミームマジックの時代はとっくに終わっている。ホワイトハウスは何がネット上で響くかを見失っている。クリンジ(恥ずかしい)なコンテンツを出した瞬間、終わりだ」

実際、トランプ政権は戦争中、軍が爆撃したイランの標的の映像を拡散した。一つは戦争ゲーム「Call of Duty」風に編集され、別の一つは「マカレナ」の曲に乗せられていた。また、スタジオジブリ風のAI画像を使って移民拘束の場面を描写するなど、ミーム的な手法を多用してきた。しかしハンラハン氏によれば、これらは「YouTubeホラー風の映像」であり、今のネット世代には響かないという。

より根本的な問題は、トランプがTruth Socialに移行したことかもしれない。Xの文字数制限から解放された彼の投稿は、より長く、より散漫になった。停戦交渉の最中、「今夜合意がなければイランの文明全体が死ぬ」と投稿した際には、かつての盟友だった陰謀論者のアレックス・ジョーンズや元下院議員のマージョリー・テイラー・グリーンまでもが、大統領の職務遂行能力を問う合衆国憲法修正第25条の発動を求めるほどだった。

「情報戦」という新しい戦場

ここで立ち止まって考えるべきことがある。これは単なるSNS上の茶番ではない。

軍事力で圧倒的に劣るイランが、なぜネット上で優位に立てるのか。一つの答えは「弱者のナラティブ」の力だ。「Chad対Virgin」の構造でいえば、イランは自らを「寡黙な挑戦者」として描くことに成功した。歴史的に見ても、弱者が強者に挑む物語は普遍的な共感を呼ぶ。ダビデ対ゴリアテの構図は、文化や世代を超えて機能する。

もう一つの重要な変数はAIだ。今回のイランのコンテンツは、AI生成の音楽と映像を組み合わせたものだ。制作コストは劇的に下がり、小国や非国家主体でも洗練されたプロパガンダを量産できる時代になった。これは情報戦の民主化であり、同時に新たなリスクでもある。

日本にとってこの問題は対岸の火事ではない。自衛隊や日本政府のSNSコミュニケーションは、まだ「お知らせ」レベルにとどまっている。台湾有事や朝鮮半島の緊張が高まる局面で、日本はSNS上の情報戦にどう備えるのか。防衛省外務省がミームを使って国際世論に働きかけることを想像するのは難しいが、それが現代の情報戦の現実だ。

本コンテンツはAIが原文記事を基に要約・分析したものです。正確性に努めていますが、誤りがある可能性があります。原文の確認をお勧めします。

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