政府閉鎖のリスクを冒してでも - 民主党が移民執行機関の改革を求める理由
ミネアポリスでの連邦捜査官による射殺事件を受け、民主党上院議員らが政府予算案に反対。移民執行機関ICEへの監視強化を求める動きが加速している。
政府予算案の可決に必要な上院民主党の票が、突然消え去った。きっかけは週末にミネアポリスで起きた一発の銃声だった。
アレックス・プレッティ氏が連邦捜査官に射殺された事件を受け、チャック・シューマー上院民主党院内総務は声明を発表。国土安全保障省への予算措置を含む政府予算案への支持を撤回すると表明した。民主党の票なしには、政府は今週末に部分的な閉鎖に追い込まれる。
予算を「武器」にした政治戦略
交通・保健福祉・国土安全保障省の予算案は先週下院を通過していた。上院でも8人程度の民主党議員の支持があれば可決される見込みだった。しかし、プレッティ氏の射殺事件により状況は一変した。
Puck Newsのリー・アン・コールドウェル記者によると、「民主党上院議員はほぼ全会一致で、この射殺事件の直後にICE(移民税関執行局)により多くの予算を与えることに強く反対している」という。
興味深いのは、民主党内の温度差だ。従来なら政府閉鎖を避けたがる穏健派議員も、今回は強硬姿勢を支持している。「覆面をした連邦法執行官が完全な免責と説明責任の欠如の下で活動することは受け入れられない」との認識が党内で共有されているためだ。
共和党内にも亀裂の兆し
トランプ政権の移民政策を支持してきた共和党にも、微妙な変化が現れている。
下院監視委員会のジェームズ・コマー委員長は、ICEはミネソタ州から撤退すべきで、移民問題への対処は地元当局に委ねるべきだと示唆した。また、デイブ・マコーミック上院議員は今回の事件を「悲劇」と呼び、何らかの調査を求めている。
最も注目すべきは、下院国土安全保障委員会のアンドリュー・ガルバリーノ委員長(共和党)が、クリスティ・ノーム国土安全保障長官らの証言を求めたことだ。「今議会で共和党による真の監視の試みを見るのは初めて」とコールドウェル記者は指摘する。
象徴的な抵抗か、実効性のある改革か
皮肉なことに、政府が閉鎖されてもICEの活動は止まらない。共和党は既に通常の予算プロセスとは別の法案を通じて、ICEと国境警備隊に3年分の予算を確保済みだからだ。
それでも民主党が政府閉鎖のリスクを冒すのは、政治的な象徴性と世論の圧力を重視しているためだ。前回の政府閉鎖では民主党内に不安が広がったが、今回は「国民の怒りのレベルが、自分たちが正しい立場にいるという確信を与えている」とコールドウェル記者は分析する。
トランプ大統領はトム・ホーマン「国境皇帝」をミネソタに派遣し、直接報告させると発表した。これは国土安全保障省内でホーマン氏と対立関係にあるノーム長官の立場を弱める可能性がある。
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