AIが武器となる時代:韓国でサイバー攻撃が26%急増
韓国のサイバー攻撃が2025年に26%増加。AI技術を活用したハッカーが教育・医療分野まで標的を拡大し、ディープフェイクによる新たな脅威も予測される。
2,383件。これは2025年に韓国で報告されたサイバー攻撃の総数です。前年の1,887件から26%という大幅な増加を記録しました。しかし、この数字が示すのは単なる攻撃件数の増加ではありません。ハッカーたちがAI技術を武器として使い始めた新時代の到来なのです。
攻撃手法の進化:AIが変えたサイバー犯罪
韓国科学技術情報通信部の報告書によると、2025年のサイバー攻撃の内訳は興味深いパターンを示しています。サーバー侵入が44.2%と最も多く、続いてDDoS攻撃が24.7%、ランサムウェアを含む悪意のあるコードによる攻撃が14.9%を占めました。
特に注目すべきは攻撃対象の拡大です。従来の研究機関、製造業、エネルギー分野から、教育や医療分野まで標的が広がっています。KTのような通信大手からCoupangのようなECプラットフォームまで、市民生活に直結するサービスが次々と被害を受けています。
「ハッキング戦術がAIベースの自動化と協調攻撃により、より高度になっている」と同部は警告しています。これまでの人的リソースに依存した攻撃から、AIが24時間体制で脆弱性を探し、攻撃を仕掛ける時代への転換点なのです。
2026年の新たな脅威:ディープフェイクという武器
韓国政府が予測する2026年の脅威は、さらに巧妙です。ハッカーたちはディープフェイク技術を使って、リアルタイムの音声通話やビデオ会議といった「信頼ベースのコミュニケーション手段」に侵入する可能性があります。
想像してみてください。重要な会議で、CEOの声で指示を受けたと思ったら、それがAIが生成した偽の音声だったとしたら。あるいは、チャットボットや分析プログラム、セキュリティプラットフォームに悪意ある情報を注入し、システムの誤動作や情報漏洩を引き起こす攻撃も予想されています。
日本への示唆:デジタル社会の新たなリスク
韓国で起きているこの状況は、デジタル化が進む日本にとっても他人事ではありません。ソニー、トヨタ、任天堂といった日本企業も、グローバルなサイバー攻撃の標的となる可能性が高まっています。
特に日本の場合、高齢化社会における医療・介護システムのデジタル化が進む中、これらの分野が新たな攻撃対象となるリスクが考えられます。また、2025年の大阪・関西万博や各種国際イベントを控え、国家レベルでのサイバーセキュリティ対策の重要性が増しています。
韓国政府は「AIベースの予防・対応プログラムを運営し、セキュリティの盲点に対する先制的措置を講じる」と発表していますが、これは単に技術的な対応だけでは不十分であることを示唆しています。企業文化、従業員教育、国際協力など、多層的なアプローチが求められているのです。
記者
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