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ステーブルコインは「暗号資産」を卒業しつつある
経済AI分析

ステーブルコインは「暗号資産」を卒業しつつある

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バーンスタインがCircleの株価目標を190ドルに設定。USDCの流通量が780億ドルで過去最高水準に迫る中、ステーブルコインが暗号資産市場から独立した決済インフラへと変容しつつある背景を解説。

78億ドル。これは現在のUSDC流通量ではなく、780億ドルが正確な数字です。そして、この数字が特別な理由は「ビットコインが低迷している最中に達成された」という点にあります。

2026年3月10日、米投資銀行バーンスタインのアナリストチームが、USDCの発行体であるCircle(ティッカー:CRCL)に対して強気の見通しを発表しました。現在約120ドルで取引されている同社株の目標株価を190ドルに設定。約60%の上昇余地があるとしています。同社株はすでに過去数週間で100%以上急騰しており、好決算とショートスクイーズが重なった結果とみられています。

「暗号資産の子」から「決済インフラ」へ

バーンスタインのレポートが示す最も重要な変化は、ステーブルコインが暗号資産市場の動向から「切り離され始めている」という点です。

通常、暗号資産市場が下落すると、ステーブルコインの流通量も縮小します。投資家がリスク資産から撤退し、法定通貨に換金するからです。しかし今回は違います。ビットコインが高値から大幅に下落し、市場全体が弱気相場にある中でも、USDCの流通量は過去最高水準の780億ドル近くを維持しています。米ドル連動ステーブルコイン全体の市場規模も2,700億ドルで安定しています。

さらに注目すべきは取引活動の変化です。ステーブルコインの調整済み取引量は前年比90%以上増加し、トークンの流通速度(velocity)も上昇しています。これは、ステーブルコインが単なる暗号資産取引の「待機資金」としてではなく、実際の決済手段として使われ始めている証拠と言えます。

具体的な例として、Visaは現在50カ国130以上のステーブルコイン連動カードをサポートし、年間換算で約46億ドルの決済を処理しています。Circle自身も「Circle Payments Network」を通じて機関投資家向けの国際送金サービスを展開しており、55機関が参加し、年間換算取引量は57億ドルに達しています。

AIエージェントが開く「次の扉」

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バーンスタインのレポートが特に注目しているのが、「AIアジェンティック・ファイナンス」という新たな成長テーマです。

自律的に行動するAIエージェントが、API呼び出しや自動化サービスの対価として互いにマイクロペイメントを行う未来において、ステーブルコインは理想的な決済レールになり得るという考え方です。人間の承認を必要とせず、24時間365日、低コストで国境を越えて送金できるステーブルコインの特性は、機械同士の取引に適しています。

このビジョンを実現するため、Circleは「Arc」と呼ばれる高スループットの決済特化ブロックチェーンを開発中です。高速・低コストのトランザクション処理を目指したものです。

日本市場の文脈で考えると、この動きは無関係ではありません。ソニートヨタをはじめとする日本の大企業が推進するサプライチェーンのデジタル化や、製造業における機械間通信(M2M)の文脈において、ステーブルコインベースの自動決済は将来的な選択肢になり得ます。また、少子高齢化による労働力不足を補うためにAI自動化を進める日本企業にとって、AIエージェントが自律的に決済処理を行うインフラは、長期的な関心事となるでしょう。

楽観論への慎重な視点

ただし、すべてが順調というわけではありません。いくつかの留意点があります。

まず、Circleの収益構造は現在、保有する米国債などから得る金利収入に大きく依存しています。米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げを進めれば、この収益源は縮小します。60%の上昇余地という目標株価は、金利環境が大きく変化した場合に見直しを迫られる可能性があります。

次に、規制リスクです。米国では現在、ステーブルコインに関する法整備が進行中ですが、その内容次第ではCircleのビジネスモデルに影響が出る可能性があります。日本でも2023年の改正資金決済法によりステーブルコインの発行が一定の枠組みで認められましたが、国際的な規制の整合性はまだ途上にあります。

さらに、競合の激化も見逃せません。Tether(USDT)は依然としてステーブルコイン市場の最大手であり、銀行や伝統的な金融機関もステーブルコイン発行に参入しつつあります。Circleが「決済インフラ」としての地位を確立できるかどうかは、まだ確定していません。

本コンテンツはAIが原文記事を基に要約・分析したものです。正確性に努めていますが、誤りがある可能性があります。原文の確認をお勧めします。

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