米最高裁の関税判決で中国が「全面評価」、トランプ氏は新たな10%関税で対抗
米最高裁がトランプ政権の関税を無効化した判決を受け、中国は「全面評価」を表明。トランプ氏は新たな10%関税で対抗し、貿易戦争が新局面に。
47%の確率で法廷で敗訴すると予測されていたトランプ前大統領の関税政策が、ついに米最高裁判所によって「違憲」の烙印を押された。しかし、この司法判断から数時間後、トランプ氏は全く新しい武器を取り出した。
最高裁判決の衝撃波
米最高裁は今月、トランプ政権が発動した多くの関税措置を無効とする判決を下した。中国、韓国、日本、台湾など、アジアの主要輸出国に対する関税が含まれており、特に半導体や自動車部品のサプライチェーンに大きな影響を与えていた措置だった。
中国商務部は月曜日、この判決について「全面的な評価」を行っていると発表。「米国の一方的な関税措置は国際貿易ルールと米国国内法に違反し、いかなる当事者の利益にもならない」と厳しく批判した。
習近平主席との首脳会談を3月下旬から4月上旬に控える中、この司法判断は両国関係に新たな変数をもたらしている。
トランプ氏の「第122条」という奥の手
しかし、トランプ氏の反撃は素早かった。最高裁判決から数時間後、彼は火曜日から全ての国からの輸入品に10%の新関税を課すと発表。さらにこれを15%まで引き上げる可能性も示唆した。
この新関税の根拠となるのが「第122条」という、これまで一度も使われたことのない法律だ。15%までの関税を認めているが、150日を超えて延長するには議会承認が必要という制約がある。
韓国の金正官産業通商資源部長官は「自動車、バッテリー、半導体など全産業にわたって懸念が広がっている」と述べ、官民一体での対応を呼びかけた。インドも今週予定していた貿易代表団の派遣を延期するなど、各国で警戒が広がっている。
日本企業への波紋
今回の関税戦争の新展開は、日本企業にとって二重の意味を持つ。最高裁判決により一時的に関税負担が軽減される可能性がある一方で、トランプ氏の新関税により再び輸出コストが上昇するリスクに直面している。
トヨタ、ソニー、任天堂など、米国市場に大きく依存する日本企業にとって、関税政策の予測不可能性は事業計画の根幹を揺るがしかねない。特に、半導体不足が続く中での追加コスト負担は、競争力に直結する問題だ。
欧州中央銀行のクリスティーヌ・ラガルド総裁は「企業は予測可能性を求めており、法的争いではない」と警告。「再び混乱を招くことは破壊的な影響をもたらす」と述べた。
記者
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