トランプ大統領とコインベースCEOの密会が示す暗号資産政策の舞台裏
トランプ大統領がブライアン・アームストロング氏と会談後、銀行を批判し暗号資産法案を支持。この密会が示す政策決定プロセスとは
2026年3月4日火曜日、ドナルド・トランプ大統領は自身のSNS「Truth Social」で銀行業界に対する異例の批判を展開した。「銀行は記録的な利益を上げているが、我々の強力な暗号資産アジェンダを阻害することは許さない」。この投稿の数時間前、ホワイトハウスではある重要な会談が行われていた。
密室で交わされた会話
Politicoの報道によると、トランプ大統領は暗号資産取引所最大手コインベースのCEO、ブライアン・アームストロング氏と非公開で会談していた。この会談の具体的な内容は明かされていないが、その直後に大統領が暗号資産支持の強いメッセージを発信したことは偶然ではないだろう。
現在、米議会ではGENIUS法案と明確化法案(Clarity Act)という2つの重要な暗号資産関連法案が審議されている。しかし、これらの法案は銀行業界の強い反対により停滞している。特に争点となっているのは、利息を生むステーブルコインの扱いだ。
銀行vs暗号資産業界の構図
銀行業界の懸念は明確だ。JPモルガンのCEOジェイミー・ダイモン氏は火曜日、「顧客残高に利息を支払うステーブルコイン発行者は銀行と同様に規制されるべきだ」と主張した。銀行側の論理は、ステーブルコインが預金を奪い、融資能力を削ぐというものだ。
一方、暗号資産業界は反発している。大統領のデジタル資産顧問会議の事務局長パトリック・ウィット氏は、「GENIUS法案はステーブルコイン発行者による資金の貸し出しや再担保化を明確に禁じている。ステーブルコインは預金とは異なる」と反論した。
市場の反応と政治的影響力
大統領の発言を受け、水曜日には暗号資産関連株が急騰した。コインベース株は200ドルを突破し、1月下旬以来の高値を記録。暗号資産全体の価格も上昇基調を見せている。
この一連の動きは、現代アメリカ政治における新たな権力構造を浮き彫りにしている。従来の金融エスタブリッシュメントに対し、新興の暗号資産業界が政治的影響力を行使する構図だ。
日本への波及効果
米国の暗号資産政策の変化は、日本市場にも大きな影響を与える可能性がある。日本は既に暗号資産に対して比較的明確な規制枠組みを持っているが、米国が暗号資産に友好的な政策を採用すれば、日本企業にとって新たなビジネス機会が生まれるかもしれない。
特に、ソニーや楽天といった技術系企業、そして三菱UFJやみずほなどの金融機関は、米国市場での暗号資産関連サービス展開を検討する必要があるだろう。
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