ビットコイン、2年間の「運命の分岐点」に接近
ビットコインが過去2年間で重要な転換点となってきた7万3750~7万4400ドルの価格帯に迫る。ETF資金流入で10%上昇も、真の試練はこれから。
7万2000ドルを突破したビットコインが、トレーダーたちの視線を集めている。しかし、真の勝負はこれからだ。
ビットコインは今週10%急騰し、一時7万3900ドルまで上昇した。ETFへの資金流入が追い風となったこの上昇で、市場には再び強気の声が聞こえ始めている。だが、この暗号資産は今、過去2年間にわたって相場の運命を左右してきた重要な価格帯に差し掛かろうとしている。
歴史が刻む「7万3750~7万4400ドル」の重み
その価格帯とは、7万3750ドルから7万4400ドルの間だ。この数字は単なる技術的な水準ではない。過去2年間、ビットコインの上昇トレンドと下降トレンドの両方がこの価格帯で息切れを起こしてきた歴史がある。
2024年第1四半期を振り返ってみよう。米国でのETF上場を受けた上昇相場は、まさに7万3750ドル付近で買い疲れに直面した。その後、価格は5万ドル台まで下落する長い調整局面に入った。
一方、2025年4月初旬には、この同じ価格帯が全く異なる役割を果たした。2月に10万ドル台から始まった下降トレンドが、7万4400ドル付近で売り圧力が枯渇。その後、価格は反転上昇し、10月には12万6000ドルを超える新高値を記録した。
ETF資金流入の現実と限界
今回の上昇を支えているのは、明らかにETFへの資金流入だ。3月に入ってから7億ドルの資金が流入し、2週間連続での資金流入を記録している。機関投資家たちが「押し目買い」に動いているとの見方も強い。
しかし、ETF資金だけで相場が決まるわけではない。2024年初頭の経験が示すように、一時的な資金流入も、この価格帯の「重力」に勝てなければ、結局は調整局面を迎えることになる。
地政学的リスクの後退も今回の上昇に寄与している。イラン・イスラエル情勢への懸念が和らぎ、ホルムズ海峡情勢も安定化。原油価格の下落とともに、リスク資産への資金回帰が進んでいる。
日本の投資家が注目すべき点
日本の暗号資産投資家にとって、この価格帯突破の成否は特に重要な意味を持つ。円安環境下でビットコインへの投資を検討している投資家にとって、ここでの失速は大きな機会損失となりかねない。
また、ソニーや三菱UFJなど、日本企業の暗号資産関連事業への参入が相次ぐ中、ビットコインの価格動向は業界全体の成長性を占う重要な指標となっている。
相反するシナリオ
現在の状況は、まさに二つの未来への分岐点だ。
強気シナリオでは、7万4400ドルを明確に上抜けることで、10月から続く下降トレンドの終了を告げ、新たな上昇相場の始まりを示すことになる。この場合、8万ドルへの「エアポケット」相場も視野に入る。
弱気シナリオでは、再びこの価格帯で上値を抑えられ、2月の6万ドル近辺への再下落、さらには5万ドル台への調整も否定できない。
市場参加者の視線
興味深いのは、今回の上昇に対する市場参加者の反応だ。一部のトレーダーは早くも「ブルトラップ(偽の上昇)」への警戒を強めている。過去の経験から、この価格帯での攻防がいかに激しいものになるかを理解しているからだ。
一方で、機関投資家の参入継続や、トランプ政権の暗号資産政策への期待など、構造的な追い風要因も存在する。
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