ビットコイン68,000ドル突破、イラン戦争下での「安全資産」の逆説
中東戦争勃発でビットコインが急騰する一方、株式市場は予想より安定。暗号資産の新たな役割と投資家心理の変化を分析
戦争が起きたとき、投資家は何を買うのか。金?米ドル?それとも、まさかのビットコインなのか。
イランへの米国空爆が実施された週末、金融市場は混乱を予想していた。実際、米株先物は一時2%以上の下落を示し、原油価格は7%急騰、金も2%上昇した。しかし最も注目すべきは、ビットコインが68,600ドルまで急伸し、2.3%の上昇を記録したことだ。
予想外の市場反応
取引開始から1時間後、ナスダックの下落幅はわずか0.1%にとどまった。先物市場が示唆していた2%超の暴落は現実化せず、S&P 500とダウ平均も軽微な下落で推移している。
暗号資産関連株はさらに大幅な上昇を見せた。Circle(CRCL)は12%上昇、MicroStrategy(MSTR)は6%、Galaxy Digital(GLXY)は4.7%それぞれ値を上げている。
興味深いのは、この動きが単なる投機的な買いではないことを示すデータだ。Ellipticの分析によると、米イスラエルによる空爆直後、イランからの暗号資産流出が700%急増したという。これは現地の投資家が実際に資産保全手段として暗号資産を活用していることを示唆している。
経済指標が示す複雑な構図
月曜日に発表された米経済指標は、市場の安定感を後押しした。2月のISM製造業PMIは52.4を記録し、2022年第4四半期以来初めて2ヶ月連続で50を上回った。先週金曜日のシカゴ企業景況感指数も57.7と予想の52.8を大幅に上回り、2022年5月以来最も力強い成長ペースを示している。
こうした経済の堅調さは、連邦準備制度理事会(FRB)の3月18日の会合での利下げ可能性を事実上排除した。通常であれば、金利据え置き期待は暗号資産にとって逆風となるはずだが、市場は既にこうした金融政策の変化を織り込んでいた可能性が高い。
日本の投資家への示唆
日本の投資家にとって、この動きは重要な示唆を含んでいる。円安が進行する中で、ドル建て資産としてのビットコインの魅力が再評価される可能性がある。米ドル指数が数週間ぶりの大幅上昇(1%)を記録する中、円建てでのビットコイン投資はさらに大きなリターンをもたらした。
MicroStrategyが先週2億400万ドル相当のビットコインを追加購入し、総保有量を72万737枚(時価470億ドル超)に拡大したことも注目に値する。企業の財務戦略としての暗号資産保有が、地政学リスク下でその真価を発揮している。
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