ビットコイン1兆ドル下落でも機関投資家の関心は冷めず
暗号資産市場の急落にもかかわらず、機関投資家の関心は継続。ファミリーオフィスを中心に、デジタル資産が代替投資の主要カテゴリーとして定着している現状を分析。
1兆ドル。ビットコインが昨年10月の史上最高値から失った時価総額だ。それでも今週マイアミで開催されたiConnectionsカンファレンスには、75以上のデジタル資産ファンドが参加し、750回の投資家ミーティングが行われた。
変わりゆく投資家心理
iConnections CEOのロン・ビスカルディ氏は、55兆ドルの資産を代表するプラットフォームを運営する立場から、機関投資家の心理変化を目の当たりにしてきた。「2022年のFTX破綻後の厳しい時期を経て、昨年から資金が戻り始めている」と語る。
現在、iConnectionsプラットフォーム上の4分の1近くのリミテッドパートナーがデジタル資産戦略への関心を示している。これは暗号資産が代替投資の「主流カテゴリー」として確立されたことを意味する。特にファミリーオフィスが最大の投資家層を形成している。
日本の金融機関への示唆
この動きは日本の金融業界にとって重要な意味を持つ。野村ホールディングスや三菱UFJフィナンシャル・グループなどの大手金融機関は、すでに暗号資産関連サービスの検討を進めているが、機関投資家の本格参入は新たな事業機会を生み出す可能性がある。
ビスカルディ氏は「ビットコインは既に機関投資家の正当性を獲得した」と評価する一方、アルトコインについては規制の明確化が最後のピースだと指摘する。日本では金融庁による暗号資産規制が比較的整備されており、これが競争優位となる可能性もある。
保守的投資家層の参入
注目すべきは、従来保守的とされる大学基金までがビットコインとイーサリアムのETFへの配分を始めていることだ。これは過去10年間のような株式市場の高いリターンが期待できない中で、ポートフォリオの収益性向上を図る動きと解釈できる。
ただし、機関投資家はビットコインを「価値保存手段」ではなく「リスク資産」として扱っている。市場ストレス時には株式との相関が高く、金のような安全資産としては機能していないためだ。
規制が鍵を握る未来
「規制上のハードルが最大の課題」とビスカルディ氏は強調する。機関投資家は受託者責任を負っており、理事会に対して「責任ある安全な方法」で投資していることを説明できなければならない。
興味深いのは、2022年には一部の投資家が暗号資産を「ポンジースキーム」と疑問視していたが、「そうした声はもう聞かれない」という変化だ。議論の焦点は存在意義から実用性へと移っている。
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