ビットコインの「二重の約束」が破綻する理由
決済インフラとしても価値保存手段としても機能しないビットコイン。オンチェーン取引は2025年7月以来の最低水準に。
74万8368件。これは現在のビットコインネットワークで1日あたりに処理される決済の30日平均だ。2025年7月以来の最低水準である。
ビットコインには二つの顔があると言われてきた。一つは供給上限2100万枚という希少性を持つ「デジタルゴールド」、もう一つは仲介者なしに透明な送金を可能にする「分散型決済インフラ」としての顔だ。
しかし2026年1月現在、ビットコインはどちらの役割でも期待を裏切っている。
決済インフラとしての機能低下
ブロックチェーンデータによると、ビットコインネットワークの活動は明らかに鈍化している。9月には88万4000件を超えていた1日あたりの決済処理数は、現在25%近く減少した。
未確認取引を一時的に保管する「メモリープール」も枯渇状態だ。1日数千件の未確認取引で推移しており、この傾向は2025年後半から続いている。
インド拠点のGiottus取引所CEO、Vikram Subburaj氏は「オンチェーンシグナルは、市場が蓄積段階ではなく統合段階にあることを示している。ネットワーク活動は軟化し、機関投資家と個人投資家の確信の低下がアクティブアドレスの減少と取引量の低迷に現れている」と分析する。
価値保存手段としても低迷
デジタルゴールドとしての機能も疑問視されている。ビットコインは9万ドル台から8万7500ドルまで下落し、金や銀などの貴金属に対する相対的なパフォーマンスの低さは既に広く知られている。
興味深いことに、PAXGやXAUTなどの金連動トークンは上昇している。現物金価格の継続的な上昇に支えられた動きだ。原油価格も4ヶ月ぶりの高値を記録し、世界経済にインフレ圧力を注入する恐れがある。
FRBの慎重姿勢が追い打ち
Jerome PowellFRB議長の記者会見は、政策決定者が今後数ヶ月の利下げについてより慎重になる可能性を示唆した。エネルギー主導のインフレ衝動が再燃すれば、FRBの次回利下げはさらに困難になる。
こうした環境下で、今週初めに目立っていたセクターも急落している。CoinDesk Memecoin Index(CDMEME)は過去24時間で9%以上下落し、メタバースや文化・エンターテインメント関連の指数も5%以上下げた。
日本市場への示唆
日本では2023年から暗号資産の税制改正議論が活発化し、Web3推進政策も打ち出されている。しかし、ビットコインの決済機能低下は、日本企業が検討する暗号資産決済導入にとって逆風となる可能性がある。
ソニーや楽天など、既に暗号資産事業に参入している日本企業にとって、ネットワーク活動の低迷は利用者獲得の障壁となりうる。一方で、この状況は従来の金融システムやCBDC(中央銀行デジタル通貨)の優位性を際立たせる結果にもなっている。
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