台湾野党が習近平の「民族復興」論調に呼応、防衛予算の行方に懸念
台湾最大野党・国民党が北京で中国共産党との公式フォーラムを開催。習近平主席の「民族復興」に同調する発言で、台湾の防衛予算と対中政策に影響も
台湾海峡を挟んだ政治的駆け引きが新たな局面を迎えている。台湾最大野党である国民党(KMT)の幹部らが今週北京で中国共産党との公式フォーラムに参加し、習近平主席が掲げる「民族復興」の理念に呼応する発言を行った。
北京での「思想的合流」
2月2日から3日間にわたって開催されたこのフォーラムには、国民党副主席の蕭徐岑氏を筆頭とする大規模代表団が参加した。注目すべきは、台湾の野党幹部らが習近平政権の核心的政治スローガンである「中華民族の偉大な復興」に言及し、これを肯定的に捉える姿勢を示したことだ。
この動きは、台湾内政における重要な転換点を示唆している。国民党は伝統的に中国本土との関係改善を主張してきたが、今回のような明確な政治的メッセージの共有は、台湾の有権者にとって新たな選択肢を提示することになる。
防衛予算への波紋効果
最も懸念されるのは、この政治的接近が台湾の防衛政策に与える影響だ。現在、台湾政府は中国からの軍事的脅威に対抗するため、GDP比約2.4%に相当する防衛予算の拡充を進めている。しかし、国民党が政権を奪還した場合、この防衛強化路線が維持されるかは不透明だ。
台湾の防衛産業関係者は「野党の北京接近は、米国からの武器調達や防衛技術移転に影響を与える可能性がある」と警戒感を示している。実際、アメリカ議会では台湾への軍事支援継続に関する超党派の合意があるものの、台湾側の政治的姿勢変化は支援の条件や規模に影響を与えかねない。
日本への影響と地政学的計算
日本にとって、この展開は複層的な意味を持つ。台湾海峡の安定は日本のシーレーン防衛と直結しており、台湾の防衛力低下は日本の安全保障環境を悪化させる。特に、沖縄県や九州地域の住民にとって、台湾情勢は「遠い国の話」ではない。
経済面では、台湾の半導体産業が中国により深く統合される可能性が高まっている。TSMCやMediaTekといった台湾企業の技術が中国に流出すれば、日本の電子機器メーカーにとってサプライチェーンの再編が必要になるかもしれない。
一方で、国民党の親中路線は必ずしも中国の軍事的野心を抑制するものではない。むしろ、台湾内部の分裂を深め、中国にとって「統一」への道筋を容易にする可能性もある。
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