EU、中国研究機関を先端技術協力から排除 科学外交の新たな分水嶺か
EUが中国を先端技術協力プログラムから除外。日本の科学技術外交や産学連携にも影響する可能性が浮上している。
科学に国境はない――長らく研究者たちが信じてきたこの理念が、地政学的現実の前で揺らいでいる。
欧州連合(EU)は今年から、中国に拠点を置く研究機関を930億ユーロ(約14兆円)規模のホライズン・ヨーロッパプログラムの「重要分野」から除外すると発表した。研究セキュリティと軍事転用への懸念を理由に挙げている。
科学協力の「選択的分離」が始まった
ホライズン・ヨーロッパは、EUが推進する世界最大級の研究開発支援プログラムだ。人工知能、量子技術、バイオテクノロジーなど、次世代の産業基盤となる分野で国際的な共同研究を促進してきた。
今回の措置により、中国の研究機関はこれらの「重要分野」での新規申請ができなくなる。ただし、既存のプロジェクトや気候変動対策などの分野では協力が継続される見込みだ。
専門家らは、この動きを「選択的分離(selective decoupling)」と呼んでいる。全面的な断絶ではなく、安全保障上重要とみなされる分野に限定した協力制限だ。
日本への波及効果は避けられない
ソニーやトヨタ、NTTなど、欧州市場で事業を展開する日本企業にとって、この変化は無関係ではない。多くの日本企業がホライズン・ヨーロッパのプロジェクトに参画し、欧州の研究機関との連携を深めているからだ。
特に半導体や自動車関連技術では、日本企業が中国企業とも協力関係にある場合が多い。EUの新方針により、こうした三者間の研究協力に制約が生じる可能性がある。
日本政府も昨年、経済安全保障の観点から研究開発の管理強化を打ち出している。文部科学省は大学での外国人研究者の受け入れや共同研究について、新たなガイドラインの策定を進めている。
「オープンサイエンス」の理想と現実
研究分野の関係者の反応は複雑だ。一部の専門家は「すでに中国との協力は歴史的低水準にある」と影響の限定性を指摘する。実際、米中貿易摩擦が激化した2018年以降、西側諸国と中国の研究協力は段階的に縮小してきた。
一方で、科学技術の発展には多様な視点と人材の交流が不可欠だという声も強い。特に気候変動や感染症対策など、グローバルな課題解決には国境を越えた協力が必要だ。
興味深いのは、中国の研究機関の中には、すでに欧州以外の地域との協力強化に舵を切っているところが少なくないことだ。アジア太平洋地域や中東、アフリカ諸国との研究ネットワーク構築を加速させている。
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