アップル決算発表前夜、メモリ価格高騰が示す新たなリスク
アップルの第1四半期決算を前に、AI需要でメモリ価格が急騰。iPhone 17好調予想の裏で、収益性への懸念が浮上している。
138億4800万ドル。これが、アップルの第1四半期売上高に対するウォール街の予想だ。しかし、この数字の裏で、同社が直面する新たなジレンマが浮かび上がっている。
iPhone 17の好調と株価下落の矛盾
ティム・クックCEOは先月、ホリデーシーズンのiPhone需要について強気の見通しを示した。同社は第1四半期の全体売上が10-12%成長し、iPhone売上も同様の二桁成長を期待していると発表。これはiPhone 17の本格販売開始後初の四半期として、1367億3000万ドルから1392億2000万ドルの売上を見込んでいることを意味する。
アナリストたちもこの予想に楽観的だ。しかし皮肉なことに、投資家は株を売り続けている。アップル株は12月2日のピークから約11%下落した。
なぜ好調な業績予想にもかかわらず、株価は下がり続けているのか。答えは、見えないコストの急上昇にある。
AI需要がもたらすメモリ価格の嵐
問題の核心は、人工知能ブームが引き起こしたメモリとストレージの価格急騰だ。モルガン・スタンレーのエリック・ウッドリングアナリストは「ウォール街は、メモリコスト上昇が2026年度の利益率に与える影響を十分に織り込んでいない」と警告する。
iPhone、Mac、iPadなど、アップルのすべての製品は大容量のメモリとストレージを必要とする。同社のケヴァン・パレクCFOは昨年10月、「メモリ価格に若干の追い風を感じているが、特筆すべきことはない」と述べていたが、状況は急速に変化している。
ジェフリーズのエジソン・リーアナリストは「AIの商業化と収益化は依然として困難で、消費者にとってAIの使用例が明確でない上、急速に上昇するメモリ価格により、エッジAIアプリケーションの経済的正当性を今後2年間で立証するのは困難になる」と分析している。
日本企業への波及効果
この状況は日本の関連企業にも影響を与える可能性がある。ソニーのイメージセンサー事業や、村田製作所などの電子部品メーカーは、アップルの重要なサプライヤーだ。メモリ価格上昇によるコスト圧迫が、これらの日本企業との取引条件にどう影響するかが注目される。
一方で、キオクシア(旧東芝メモリ)のような日本のメモリメーカーにとっては、価格上昇は収益改善の機会となる可能性もある。
AI戦略の見直しを迫られるアップル
今月初め、アップルはApple Intelligenceソフトウェアの一部で、内製AIモデルに代わってGoogleのGeminiを採用すると発表した。これは、AI開発コストの抑制と効率化を狙った動きと見られる。
クックCEOは決算発表で、より「パーソナル」なSiriの今年中のローンチについても言及する可能性が高い。しかし、AI機能の拡充とメモリコスト上昇のバランスをどう取るかが、同社の課題となっている。
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