決済大手の好決算に隠された政治的リスクとは
マスターカードとアメリカン・エキスプレスが好決算を発表したにも関わらず株価が下落。クレジットカード金利上限規制への懸念が市場を揺らす背景を分析
1兆2000億ドル。これは米国のクレジットカード残高総額です。そして平均金利は20%を超えています。この数字が、決済業界の巨人たちに政治的な嵐をもたらそうとしています。
好調な業績が示す現実
マスターカードとアメリカン・エキスプレスの2024年第4四半期決算は、どの指標を見ても優秀でした。
マスターカードは第4四半期の純売上高が前年同期比18%増加し、純利益は22%成長しました。米国内で4%、海外で9%の取引量増加を記録し、高利益率のサービス事業も堅調に推移しています。調整後の1株当たり利益は25%上昇しました。
一方、アメリカン・エキスプレスも第4四半期の売上高が10%増、1株当たり利益は15%増となりました。カード会員の支出は9%増加し、主に高所得顧客層が牽引しています。信用指標は業界最高水準を維持し、2026年も2桁近い売上成長を見込んでいると発表しました。
株価下落が語る不安の正体
しかし、これほど好調な決算にも関わらず、両社の株価は金曜日の取引開始前に下落しました。S&P500先物の0.5%下落を上回る落ち込みを見せています。
投資家が恐れているのは、ホワイトハウスが検討しているクレジットカード金利の10%上限規制です。法的根拠が薄いとはいえ、この政治的リスクが市場の不安を煽っています。
現在、多くの借り手が20%を超える金利を支払っている状況で、クレジットカード債務が記録的な水準に達していることが、政治的な注目を集める要因となっています。延滞率も業界全体で徐々に上昇しており、消費者の負担増が社会問題化しつつあります。
日本への波及効果を考える
日本のクレジットカード業界は、米国とは異なる規制環境にあります。日本では貸金業法により年利20%が上限とされており、実際の平均金利はそれより低く設定されています。
三井住友カードやJCBなどの日本企業にとって、米国での規制強化は直接的な影響は限定的かもしれません。しかし、グローバルな決済ネットワークを利用している以上、マスターカードやVisaのビジネスモデル変更は、日本市場にも間接的な影響を与える可能性があります。
特に注目すべきは、日本でも高齢化社会の進行により、固定収入の高齢者のクレジット利用が増加していることです。米国の規制議論は、日本でも消費者保護の観点から政策議論を活発化させるかもしれません。
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