米裁判官向けガイドから気候変動章が削除される
共和党州司法長官の抗議を受け、連邦司法センターが裁判官向け科学的証拠マニュアルから気候変動の章を削除。科学と司法の境界線に新たな議論
130年。これは、現代的な気候科学が確立されてから経過した年数だ。しかし2026年2月、米国の裁判官向けガイドラインから気候変動に関する章が丸ごと削除されるという出来事が起きた。
何が起こったのか
連邦司法センターは金曜日、裁判官が科学的問題に対処するためのガイドライン「科学的証拠に関する参考マニュアル」第4版から、気候変動の章を完全に削除した。この決定は、共和党系州の司法長官グループからの抗議の手紙を受けたものだ。
削除された章は、コロンビア大学の2人の著者によって執筆され、昨年12月の初版リリース時に含まれていた。しかし1月末、共和党系州の司法長官たちは連邦司法センターの指導部に対し、この内容に異議を唱える手紙を送付した。
彼らの主要な批判点は明確だった:気候変動への人間の影響を「事実」として扱っていることへの反対である。
司法と科学の境界線
連邦司法センターは法律により「米国政府司法部門の研究・教育機関」として設立されている。その役割の一環として、法廷に持ち込まれる様々なトピックに不慣れな裁判官のための参考資料を準備している。
「科学的証拠に関する参考マニュアル」は現在第4版で、全米科学アカデミーとの協力で作成されている。このマニュアルは科学のプロセスや、統計技術、DNA鑑定、化学物質への曝露など、法廷で定期的に扱われる具体的なトピックをカバーしている。
しかし今回の削除は、単なる内容修正を超えた意味を持つ。科学的コンセンサスと政治的圧力の間で、司法制度がどのような立場を取るべきかという根本的な問題を提起している。
日本への示唆
日本でも気候変動関連の訴訟は増加傾向にある。東京電力の原発事故や、石炭火力発電所の建設を巡る訴訟など、科学的証拠の解釈が争点となるケースは珍しくない。
日本の司法制度では、裁判官が科学的事実をどう判断するかについて、今回の米国の事例は重要な参考点となるだろう。特に、政治的圧力と科学的コンセンサスのバランスをどう取るかという課題は、日本の裁判官にとっても他人事ではない。
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