ハッカビー駐イスラエル大使の「領土拡張」発言が中東に波紋
米国のハッカビー駐イスラエル大使が「イスラエルの領土拡張権」を示唆する発言で中東諸国から強い批判。外交的影響と地域安定への懸念が高まる
「イスラエルがすべて取っても構わない」──。米国のマイク・ハッカビー駐イスラエル大使のこの一言が、中東全域に激震を走らせています。
聖書的約束と現実政治の衝突
2月21日に放送されたタッカー・カールソンとのインタビューで、ハッカビー大使は旧約聖書に記された「約束の地」について質問されました。その範囲はユーフラテス川(イラク)からナイル川(エジプト)まで──現在のレバノン、シリア、ヨルダン、そしてサウジアラビアの一部を含む広大な領域です。
「それをすべて取っても構わない」というハッカビー大使の発言は、後に「やや誇張的な表現だった」と修正されましたが、すでに外交的な火種となっていました。エジプト、ヨルダン、サウジアラビアをはじめとする中東諸国は相次いで「過激主義的」「挑発的」として強く非難しています。
宗教的信念と外交実務の境界線
ハッカビー大使は自らを「キリスト教シオニスト」と公言し、長年にわたってイスラエル支持の立場を貫いてきました。2008年には「パレスチナ人というものは実際には存在しない」とまで発言。2024年の国際司法裁判所がイスラエルによるパレスチナ占領を「違法」と判断した後も、その立場を変えていません。
問題は、こうした宗教的確信が外交官としての公的発言にどこまで反映されるべきかということです。トランプ政権は2019年、シリアのゴラン高原に対するイスラエルの主権を世界で唯一認める国となりました。そして今回のハッカビー発言は、この路線がさらに拡大される可能性を示唆しています。
地域安定への波及効果
サウジアラビア外務省は「過激主義的言辞」として米国務省に説明を求め、エジプト外務省は「国際法の明白な違反」と批判しました。ヨルダン外務省は「外交規範に反する挑発的発言」として強く反発しています。
特に注目すべきは、これらの国々の多くが近年、アブラハム合意などを通じてイスラエルとの関係正常化を進めてきた点です。ハッカビー発言は、こうした和解プロセスに冷や水を浴びせる結果となりかねません。
アラブ連盟は「宗教的・民族的感情を刺激し、地域の緊張を高める」として懸念を表明。中東の複雑なバランスが、一人の外交官の発言によって揺らいでいる現実を浮き彫りにしています。
日本外交への示唆
日本は中東地域で独特のポジションを維持してきました。イスラエルともパレスチナとも良好な関係を保ち、エネルギー安全保障の観点からサウジアラビアをはじめとする湾岸諸国との結びつきも深めています。
ハッカビー発言のような極端な立場は、日本の「バランス外交」とは対照的です。しかし、トランプ政権下での米国外交がより一方的になれば、日本も難しい選択を迫られる可能性があります。
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