「サンタクロース・ラリー」は来るか?好調な2025年相場の最終盤、投資家が期待する年末高
2025年の好調な米国株式市場を締めくくる「サンタクロース・ラリー」への期待が高まっている。歴史的な確率と今年のリスク要因を分析し、投資家が年末相場で注目すべきポイントを解説します。
リード
2025年の米国株式市場も残すところあとわずかとなりました。ウォール街の投資家たちの注目は、年末年始に株価が上昇しやすいとされるアノマリー「サンタクロース・ラリー」に集まっています。ロイター通信によると、インフレ鈍化と堅調な企業業績に支えられ力強い一年を経験した市場参加者たちは、この年末ラリーが2025年を締めくくる最高のフィナーレになることを期待しています。
歴史が示す年末高のアノマリー
「サンタクロース・ラリー」とは、具体的には12月の最終5営業日と翌年1月の最初の2営業日の計7営業日の間に、株価が上昇する傾向を指します。『ストック・トレーダーズ・アルマナック』のデータによれば、1950年以降、S&P 500指数はこの期間中に平均で1.3%の上昇を記録しており、プラスのリターンとなった確率は約77%に上ります。この背景には、機関投資家が休暇に入り取引が薄くなる中、個人投資家の楽観的な買いや、ホリデーボーナスの資金流入などが指摘されています。
2025年の楽観論とその根拠
今年、S&P 500指数は年初来で20%を超える力強い上昇を見せました。米連邦準備理事会(FRB)が利上げサイクルを終了させ、インフレが管理可能な水準に落ち着いたことが、市場の追い風となりました。アナリストらは、こうした良好な市場環境が投資家心理を支え、年末の利益確定売りを吸収してラリーにつながる可能性は十分にあると見ています。
投資リスク
ただし、楽観は禁物です。ウォール街には「もしサンタが来なければ、弱気相場がやってくる」という有名な格言があります。歴史的にサンタクロース・ラリーが見られなかった年は、その後の市場が軟調に推移するケースが散見されました。予期せぬ地政学的リスクの浮上や、予想を裏切る経済指標が発表された場合、年末の薄商いの中で相場が大きく変動する可能性も残されています。
【PRISM Insight】
短期的なラリーの有無に一喜一憂するよりも、投資家が真に注目すべきは2026年第1四半期の動向です。1月下旬から本格化する企業決算や、次回の連邦公開市場委員会(FOMC)での金融政策に関する声明が、新年の相場の方向性を決定づける重要な鍵となるでしょう。年末ラリーはあくまでボーナスと捉え、長期的な視点を持つことが肝要です。
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