AIブームと供給網ショック:2025年を揺るがした巨大テックトレンドを振り返る
2025年のテクノロジー業界を日経アジアの報道から振り返る。トランプ関税によるサプライチェーンの激震と、過熱するAI投資バブルへの懸念という二大テーマを軸に、半導体やEV市場の動向を解説します。
AI投資ブームに沸き立つ一方、地政学リスクがサプライチェーンを直撃しました。2025年のテクノロジー業界は、この二つの巨大な力のせめぎ合いに終始した一年だったと言えるでしょう。日経アジアの報道によれば、年明け早々、ドナルド・トランプ氏のホワイトハウス復帰と中国の「DeepSeek」ショックが市場を揺るがし、AIブームの前提そのものが問われる事態となりました。
トランプ関税が迫る「脱中国」の再編
2025年における最大の関心事の一つは、トランプ政権が導入した「相互的」関税にテクノロジーサプライチェーンがどう対応するかでした。タイやベトナムといった生産拠点が、厳しい高関税の対象となる可能性が浮上。これにより、AppleやNvidiaなどのサプライヤーは「脱中国」計画の見直しを迫られました。意外な結果として、この動きが米国におけるサーバー供給エコシステムの発展を促した側面もあります。ただし、「メイド・イン・アメリカ」のiPhoneが実現する道のりはまだ遠いようです。
AIバブルは崩壊するのか?
もう一つの大きな問いは、AI投資がバブル状態にあるのか、そしてその崩壊が間近に迫っているのかという点です。このテーマは一年を通じて議論されました。マレーシアのジョホール州ではAIデータセンターの建設ラッシュが起き、日本では建設業界のボトルネックが新規プロジェクトの遅延を招いています。一方、タイではプリント基板という、より実利的なニッチ分野でサプライチェーンシフトとAIブームの恩恵を受けている状況が報じられています。
半導体からEVまで、激化する競争
2025年は他の分野でも大きな動きがありました。中国では、半導体製造装置の巨人ASMLに対抗する存在としてSiCarrierが台頭。電気自動車(EV)市場では、BYDによる価格競争が業界再編の引き金になるとの見方が出ています。また、Samsungは顧客不足を理由に米国半導体工場の完成を遅らせるなど、業界の複雑な力学が浮き彫りになりました。
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