米民主党、NVIDIAのAI半導体「H200」対中輸出ライセンスの情報開示を要求 トランプ政権の新方針に懸念

米民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員とグレゴリー・ミークス下院議員は12月22日（月）、NVIDIA（エヌビディア）社の高性能AI半導体「H200」の中国企業向け輸出を巡り、米商務省に対して関連ライセンスの申請・承認状況をすべて開示するよう要求しました。ロイター通信が確認した書簡で明らかになりました。

この動きは、トランプ大統領が今月発表した方針転換を受けたものです。大統領は、国家安全保障上の懸念から先端AI半導体の対中輸出を禁止したバイデン前政権の方針を覆し、大きな議論を呼んでいます。

[callout-info] 背景：トランプ政権の方針転換 トランプ大統領は今月、NVIDIAのH200半導体の対中販売を許可すると発表。ただし、売上に対して25%の料金を政府が徴収するとしています。大統領は、この措置によって「米国製半導体の需要を維持し、結果的に中国製半導体の需要を削ぐことで、米国企業が中国の半導体メーカーに対して優位性を保つ助けになる」と主張しています。

ウォーレン、ミークス両議員が商務省に送付した書簡では、中国企業向けのH200関連ライセンス申請をすべて開示すること、そしてライセンスが承認された場合は48時間以内にその事実を公表することを求めています。

さらに両議員は、ライセンス承認が実行される前に、「輸出が承認された半導体の軍事的潜在能力に関する評価」や「この決定に対する同盟国・パートナー国の反応」を含む、本件に関する政府からのブリーフィングを要求しています。

[blockquote] 「トランプ大統領によるH200の対中販売許可という決定は、技術的・軍事的優位性を目指す中国の野心を加速させ、米国の経済および国家安全保障を損なうリスクをはらんでいる」 — エリザベス・ウォーレン上院議員（今月上旬の発言より）

ウォーレン議員は今月上旬にも、NVIDIAのジェンスン・フアンCEOを議会に召喚し証言させるべきだと主張していました。今回の書簡について、米商務省およびNVIDIAは、ロイター通信のコメント要請に現時点では応じていません。