トランプ氏の「黄金艦隊」計画:中国への新圧力か、実現困難な夢物語か?
トランプ米大統領が中国を念頭に置いた新型戦艦「トランプ級」と「黄金艦隊」計画を発表。専門家は実現性に疑問を呈し、米中間の軍事的緊張を高める可能性を指摘します。
米国の海軍戦略は、再び「大艦巨砲主義」へと回帰するのでしょうか?ドナルド・トランプ米大統領が、月曜日に発表した新型戦艦計画は、中国を強く意識したものと見られますが、専門家の間ではその実現性に疑問の声が上がっています。
「黄金艦隊」構想の概要
トランプ大統領は、フロリダ州のマー・ア・ラゴの邸宅から、新たな海軍戦艦「トランプ級」の建造計画を明らかにしました。大統領によれば、この新型艦は従来艦より大型かつ高速で、「100倍強力」になるとのことです。この戦艦は、米国の海軍的優位を確固たるものにするための「黄金艦隊(Golden Fleet)」の中核をなすとされています。トランプ氏は特定の国名を挙げませんでしたが、この新艦隊が「世界中の米国の敵に恐怖を植え付ける」だろうと宣言しました。
専門家が指摘する「巨大なハードル」
しかし、この壮大な計画には専門家から懐疑的な見方が寄せられています。中国人民大学の国際関係学者、時殷弘教授は、この計画が「完全に中国を標的にしている」と指摘。実現すれば米国の制海権は大幅に強化されるものの、北京に対艦兵器の開発をさらに加速させる可能性があると分析しています。
ワシントンのハドソン研究所の上級研究員であるリセロッテ・オドガード氏も、この計画は「長期的な戦略的シグナルであり、産業基盤に関する政治」との見方を示しました。同氏によると、短期的なインド太平洋地域での抑止力は、依然として分散型の戦闘網や潜水艦、空母の即応性に依存しており、新型戦艦の構想は極超音速兵器や核巡航ミサイルの搭載オプションを追加する未来の旗艦としての意味合いが強いと分析しています。
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