SHEINパリ実店舗、抗議の中クリスマス商戦で盛況—79ドルのジャケットに数百人の行列
中国発のファストファッション大手SHEINがパリにオープンした実店舗が、抗議活動にもかかわらずクリスマス商戦で大盛況。低価格戦略が消費者の心を掴む一方、環境や労働問題を巡る論争も続く。
抗議の声と、熱狂的な買い物客。この二つの対照的な光景が、今パリの中心部で繰り広げられています。中国発のファストファッション大手SHEIN(シーイン)が2025年11月にオープンした初の常設実店舗が、激しい抗議活動があったにもかかわらず、クリスマス商戦の新たな人気スポットとなっているのです。
「激安」価格が呼ぶ熱狂
店内では数百人の買い物客が衣類のラックの間を埋め尽くし、商品を吟味しています。その値札には、66.99ユーロ(約79米ドル)のレザージャケットや78.99ユーロのダウンジャケットなど、驚くほどの低価格が並びます。試着室の前には長蛇の列ができており、クリスマスプレゼントを求めるパリ市民にとって、この新店舗は抗いがたい魅力を持つ場所となっているようです。
論争と消費の狭間で
しかし、この盛況の裏には根深い論争が存在します。店舗のオープン時には、SHEINのビジネスモデル、いわゆる「ウルトラファストファッション」が環境に与える負荷や、サプライチェーンにおける労働環境への懸念から、激しい抗議活動が起きました。消費者は、倫理的な問題意識と、目の前の低価格という現実との間で複雑な選択を迫られているように見えます。
オンラインからオフラインへ:新たな世界戦略か
これまでオンライン販売を主軸としてきたSHEINにとって、パリ中心部への実店舗出店は、大きな戦略転換点となる可能性があります。今回の店舗の成功は、同社が今後、欧米の主要都市で本格的な実店舗展開を進めるための試金石となるかもしれません。これは、デジタルネイティブなブランドが物理的な世界へと影響力を拡大する、より大きなトレンドの一部と見ることもできます。
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