ブラックストーン、日本通運の都心物流拠点を1000億円超で買収へ 2025年国内最大級の取引

米投資ファンドのブラックストーンが、日本通運の東京都心にある物流拠点を1000億円超で買収。2025年国内最大の物流不動産取引となり、労働力不足を背景とした優良立地への投資トレンドを象徴しています。

米投資ファンドのブラックストーンが、日本通運の東京都心にある旗艦物流拠点を1000億円（約6億3600万ドル）超で買収することが明らかになりました。日経新聞が報じたところによると、この取引は2025年における国内の物流不動産取引としては最大規模となります。

対象となるのは、日本通運がサードパーティ・ロジスティクス（3PL）サービスを提供している施設です。今回の買収は、労働力不足を背景に主要な立地にある物流施設への需要が高まっている市場の動向を浮き彫りにしています。

PRISM Insight: なぜ今、都心の物流拠点が注目されるのか？

今回の取引の背景には、日本の物流業界が直面する構造的な課題があります。特に「2024年問題」以降、トラックドライバーの労働時間規制が強化され、人手不足はさらに深刻化しました。その結果、輸送効率を最大化できる都心部の大型物流ハブの戦略的価値がかつてなく高まっています。 EC（電子商取引）の拡大も相まって、消費者に近い場所で迅速に商品を配送する「ラストワンマイル」の重要性が増しており、ブラックストーンのようなグローバル投資家は、このトレンドが今後も続くと見て、日本の優良な物流資産へ積極的に投資していると考えられます。ブラックストーンにとって、今回の買収は日本における不動産ポートフォリオ、特に成長分野である物流セクターでの存在感を一気に高める動きとなります。一方の日本通運にとっては、資産を最適化し、得られた資金を新たな成長戦略に再投資する機会となる可能性があります。

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