東京23区マンション平均1億円超えの「新時代」— 日銀利上げ下、政府はローン限度額1.2億円に引き上げの方針
東京23区のマンション平均価格が1億円を突破。日銀の利上げや長期金利上昇の向かい風の中、政府は住宅ローン「フラット35」の限度額を1.2億円に引き上げる方針。市場の最新動向と投資家への影響を解説。
熱狂と警戒が交差する東京不動産市場
東京23区のマンション市場が、歴史的な転換点を迎えています。2025年11月の統計によると、新築・中古を問わず平均価格が1億円を突破。特に中古マンションの平均価格は1億1485万円に達し、価格高騰が続いています。この状況は、国内の購入希望者だけでなく、海外の投資家からも強い関心を集めています。
この価格高騰の背景には、活発な海外からの資金流入があります。11月25日に報じられた調査によれば、都内の新築マンション購入者のうち、海外住所を持つ人の割合は約3%にのぼり、国・地域別では台湾が最も多く、次いで中国本土からの購入が目立っています。円安が海外投資家にとって追い風となり、東京中心部の不動産を魅力的な投資先として押し上げている格好です。
経済環境の激変:26年ぶりの高金利時代へしかし、市場は順風満帆ではありません。日本銀行が12月19日に利上げを決定したことを受け、市場金利は急上昇。12月22日には、長期金利の指標となる10年物国債の利回りが2.1%に達し、これは約26年ぶりの高水準です。金利の上昇は、住宅ローンの返済負担増に直結するため、今後の不動産需要に冷や水を浴びせる可能性があります。
政府の対応:ローン限度額引き上げで需要下支えか
こうした市場の過熱と金利上昇という複雑な状況を受け、政府も動きを見せています。報道によると、政府は住宅金融支援機構が提供する長期固定金利ローン「フラット35」の借入限度額を、現行の基準から1億2000万円に引き上げる方針を固めた模様です。これは、平均価格が1億円を超えた現状を追認し、国内の実需層が住宅を購入しやすくするための措置とみられます。
PRISM Insight: 金融引き締めと住宅支援の綱引き現在、東京の不動産市場は「金融引き締め(日銀の利上げ)」と「住宅取得支援(政府のローン限度額引き上げ)」という、相反する力の綱引きの中にあります。金利上昇が市場を冷やす一方で、政府の支援策が価格を下支えする構図です。このバランスが崩れた時、市場がどちらの方向に動くのか、投資家は慎重に見極める必要があります。特に、海外からの資金流入が続くかどうかが、今後の価格動向を占う重要な鍵となりそうです。
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