Liabooks Home|PRISM News
心拍数の次は「心臓発作の予告」—WHOOPが描く未来
テックAI分析

心拍数の次は「心臓発作の予告」—WHOOPが描く未来

6分で読めるSource

エリートアスリートの秘密兵器から、命を救う医療デバイスへ。フィットネスウェアラブルのWHOOPが目指す次のステージと、日本の高齢化社会への示唆を読み解く。

「心臓発作が起きる前に、デバイスが教えてくれる」——そんな未来は、SF映画の話ではなくなりつつあります。

LeBron JamesCristiano RonaldoPatrick Mahomes。世界トップクラスのアスリートたちが手首に巻いてきた小さなバンドが、いま医療機器への変身を試みています。ボストンに本社を置くヘルスウェアラブル企業 WHOOP の話です。

エリートから「全員」へ——WHOOPの軌跡

WHOOP の創業者 Will Ahmed 氏(36歳)がこのデバイスを作り始めたのは、ハーバード大学の学生だった2011年のことでした。スカッシュチームのキャプテンを務めていた彼が直面した問題は、「オーバートレーニングを客観的に把握する手段がない」というシンプルなものでした。数百本の医学論文を読み込みながら開発したデバイスは、いまや200カ国以上で展開され、昨年は売上が前年比100%超の成長を達成。キャッシュフローもプラスに転じました。

デバイスの特徴は、画面がないことです。通知もなく、歩数計もありません。「画面をつければ時計になる。時計になれば、すでに無数の競合と戦うことになる」とAhmed氏は言います。WHOOPは時計と「一緒に」つけられる設計で、手首だけでなく二の腕や胴体にも装着できます。睡眠、回復度、心拍変動(HRV)などを継続的に計測し、サブスクリプション料金は年間200〜360ドル。デバイス代は料金に含まれます。

このモデルの粘着力は驚異的です。月間アクティブユーザーの83%が毎日アプリを開く——この数字はAhmed氏によれば、WhatsApp に次ぐ水準だと言います。

「フィットネス」から「命を守る」へ

WHOOPがいま踏み出そうとしているのは、パフォーマンス向上ツールから、生命を守る医療デバイスへの転換です。

すでに医療承認済みの機能として、心電図(ECG)モニタリングと心房細動(AFib)検出を搭載しています。心房細動は脳卒中につながる不整脈で、早期発見が極めて重要です。さらに血圧の「インサイト」機能も追加しており、Ahmed氏はこれを「ウェアラブルとして初」と主張しています。

PRISM

広告掲載について

[email protected]

ただし、この血圧機能をめぐっては FDA(米食品医薬品局) との摩擦が生じました。昨年夏、FDAは「これは医療診断にあたる」として警告書を送付。これに対しWHOOPは「FDAは権限を逸脱している」と反論し、開発を継続しています。規制当局と企業の境界線をめぐる争いは、ヘルステック業界全体が直面する構造的な問題でもあります。

加えて、検査大手 Quest Diagnostics(米国内2,000カ所以上の拠点を持つ)との提携により、血液検査の結果をWHOOPアプリに直接取り込み、医師がWHOOPのデータと照合しながらレビューする仕組みも整えました。「生物学的年齢」を算出する Health Span 機能は、昨年5月の導入以来、最も人気の高い機能になったといいます。

ライバル Oura との静かな競争

WHOOPの最大のライバルは、フィンランド発のスマートリング企業 Oura です。リングを約350ドルで購入し、プラットフォーム利用料として年間約70ドルを支払うモデルで、12カ月時点の継続率は80%台後半に達します。

両社ともに「女性が最も急成長しているセグメント」と述べており、昨秋には1日違いで血液検査パートナーシップをそれぞれ発表しました。偶然の一致か、市場の必然か——どちらの陣営も多くを語りませんでした。

OuraはIPOを検討していると広く報じられています。もしOuraが先に上場すれば、収益倍率や成長率、継続率といった財務指標のベンチマークが設定され、WHOOPはその物差しで測られることになります。現在約750人を雇用するWHOOPは、さらに600人の採用を進めています。

日本社会にとっての意味

ここで視点を日本に移してみましょう。

日本は世界で最も高齢化が進んだ社会のひとつです。2025年には国民の約30%が65歳以上となり、医療費の増大と医療従事者の不足が深刻な課題となっています。WHOOPが描く「心臓発作を事前に知らせるデバイス」は、日本の文脈では単なるガジェットではなく、社会インフラの問題として捉えられます。

Apple Watch の心電図機能は日本でも2021年に承認され、実際に心房細動を早期発見して命を救った事例が報告されています。WHOOPのような常時装着型デバイスが医療グレードの精度を持つようになれば、在宅医療や遠隔モニタリングの文脈で大きな役割を果たす可能性があります。

一方、日本のウェアラブル市場は AppleGarminFitbit(現 Google)などが強い存在感を持ちます。WHOOPのサブスクリプションモデルは、デバイスを「買い切る」文化が根強い日本市場でどこまで受け入れられるか、まだ未知数です。また、医療データのプライバシーに対する感度の高さも、普及の壁になりえます。

SonyOmron(血圧計で世界シェアを持つ)、Panasonic といった日本企業がヘルステック領域で競争力を持てるかどうかも、注目点です。特に Omron は医療グレードのウェアラブル血圧計を既に展開しており、WHOOPが踏み込もうとしている領域とは重なりが大きい。

本コンテンツはAIが原文記事を基に要約・分析したものです。正確性に努めていますが、誤りがある可能性があります。原文の確認をお勧めします。

意見

関連記事

PRISM

広告掲載について

[email protected]
PRISM

広告掲載について

[email protected]