5人になったZEROBASEONE、沈黙を破る
ZEROBASEONEが5人体制への再編後、初となるカムバックに向けて「A-Film」映像を公開。K-POPグループの再編とファンダムの関係、そして日本市場への影響を多角的に考察します。
5人になったとき、グループはまだ同じグループなのだろうか。
2026年4月26日、ZEROBASEONE(以下ZB1)は「A-Film」と題された映像を公開した。5月に予定されているカムバックを告知するティザー映像で、わずか数分の映像ながら、公開直後からSNSで大きな反響を呼んでいる。注目すべきは、この映像が単なる新曲予告ではないという点だ。ZB1にとってこれは、グループ再編後、初めて世界に向けて発信するメッセージでもある。
「A-Film」が語ること
今回公開された映像は「A-Film」というラベルが付けられている。映画的な映像美を意識した構成で、従来のK-POPティザーとは一線を画す演出が施されている。また、CAMP ZEROBASEONEと題された別映像も同時に公開されており、ファンに向けた複数のコンテンツを段階的にリリースするという戦略が見て取れる。
ZB1はもともと、韓国のオーディション番組「Boys Planet」から誕生した9人組グループだった。しかし2026年に入り、メンバー構成が変更され、現在は5人体制で活動している。この再編の詳細な経緯は公式には明かされていないが、K-POPの世界では契約更新のタイミングや個人活動への移行など、さまざまな理由でグループの人数が変わることは珍しくない。
なぜ今、このタイミングが重要なのか
K-POPグループが再編を経てカムバックするとき、業界全体が注目するのはひとつの問いだ。「ファンダムは残るか」。
BTSやEXOなど、過去にメンバー変動を経験した大型グループの歴史を振り返ると、再編後の最初のカムバックは常にグループの新たな方向性を示す試金石となってきた。ZB1の場合、9人から5人という大幅な変化は、音楽的なアイデンティティだけでなく、視覚的なパフォーマンスやファンとの関係性にも影響を与える可能性がある。
日本市場という観点からも、このカムバックは無視できない。ZB1は日本でも一定のファンベースを持ち、日本語版楽曲やライブツアーを通じて存在感を示してきた。5人体制での日本展開がどのような形になるのか、日本のレコード会社やライブプロモーターも関心を持って見守っているはずだ。さらに、K-POPコンテンツの消費において日本は韓国に次ぐ主要市場であり、HYBEやSM Entertainmentといった大手事務所にとっても日本ファンの動向は収益に直結する。
ファンダムの視点、産業の視点
ファンの側からすれば、今回の「A-Film」公開は純粋な喜びと複雑な感情が混在する瞬間かもしれない。かつての9人を知るファンにとって、5人のZB1は「同じグループ」であり続けるのか、それとも新しい何かなのか。SNS上では「変わっても好き」という声と、「全員で戻ってきてほしかった」という声が共存している。
一方、業界アナリストの視点では、ZB1の再編は個別の事情を超えたK-POP産業全体の構造的課題を映し出している。オーディション番組で誕生したグループは、メンバーの所属事務所がそれぞれ異なることが多く、契約期間や個人活動との兼ね合いで、グループとしての継続が難しくなるケースが増えている。ZB1の今回のカムバックが成功すれば、「再編後も継続可能」というモデルケースになり得る。逆に振るわなければ、オーディション発グループの持続可能性への疑問が改めて浮上するだろう。
文化的な観点でも興味深い点がある。日本のアイドル文化では、グループの人数変更はしばしば「卒業」という概念と結びつき、ファンに受け入れられやすい文脈が存在する。一方で、K-POPのファンダムは「オリジナルメンバー」への強いこだわりを持つ傾向があり、同じ「メンバー変動」でも受け取られ方が異なる。ZB1のグローバルファンがこの変化をどう消化するかは、文化的背景によっても異なるはずだ。
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