ロシアとの交渉テーブル:ウクライナ外交官が語る4年戦争の現実
ウクライナの交渉担当者が明かすロシアとの和平交渉の内幕。技術的複雑さと人間的側面から見る戦争終結への道筋。
戦争を終わらせるとは、どういうことなのか。
セルヒー・キスリツィア氏は、この重い問いと向き合い続けている。ゼレンスキー大統領の交渉団メンバーとして、ロシアとの軍事対軍事協議に参加してきた彼が、BBCのインタビューで明かしたのは、交渉テーブルの向こう側にいる「敵」との対話の現実だった。
軍事交渉の意外な「実務性」
「軍人たちは戦場で何が起こっているかをより良く理解している」。キスリツィア氏によると、ロシア軍との交渉は驚くほど実務的で、政治的な大言壮語は少ないという。
しかし問題は別のところにある。「彼ら(ロシア軍)が情報を調理したり変更したりすることなく、直接報告できるかどうかは別の話だ」。
東ウクライナの戦場は、数千機のドローンが巨大な「グレーゾーン」を巡回し、20万人のウクライナ民間人がドンバスの「要塞ベルト」都市に住み続ける複雑な現実がある。単一の都市ポクロフスクだけで1万2000機のドローンが同時に作戦中との報告もある。
アメリカの仲介:新たな監視体制
キスリツィア氏は、トランプ政権の関係者について意外にも好意的な評価を示した。ジャレッド・クシュナーを「初心者ではない」、スティーブ・ウィトコフを「メディアの戯画的イメージよりもはるかに賢明な人物」と評価。
将来の停戦監視において、アメリカは衛星などの高技術監視手段を提供する重要な役割を果たすという。これは、2014年から8年間、限られた資源で監視を担った欧州安全保障協力機構(OSCE)とは大きく異なる。「彼らが領土上空に2機のUAVを飛ばすだけでも大きな成果だった。今日の状況と比べれば、まるでフリントストーン時代のようだ」。
記憶に刻まれた瞬間
2022年2月23日の夜。国連安保理の緊急会議中、キスリツィア氏は祖国が攻撃を受けたとの知らせを受けた。ロシアのネベンジャ大使にラブロフ外相への連絡を求めたが、「今日知っていることはすべて話した。この時間に大臣を起こすつもりはない」との返答だった。
その瞬間から、すべてが変わった。
一本の電話で終わる戦争
「戦争は一人の人間が参謀総長に一本の電話をかけるだけで止められる」とキスリツィア氏は言う。「しかし明らかに、クレムリンの独裁者(プーチン大統領)は当面、戦争を止める気はないようだ」。
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