トルコがイスラエルのソマリランド承認を拒否、アフリカの角で高まる緊張
エルドアン大統領がイスラエルのソマリランド独立承認を批判。エチオピアの海へのアクセス問題と絡み、アフリカの角の地政学的緊張が高まっている。
130万人を超える人口を抱えながら海へのアクセスを持たないエチオピア。その隣国で30年以上前に独立を宣言したソマリランド。そして昨年12月、この未承認国家を世界で初めて独立国として認めたイスラエル。この複雑な構図の中で、トルコのエルドアン大統領が新たな外交的立場を表明した。
エルドアンの警告:「危険な前例」
エチオピアの首都アディスアベバで開かれた共同記者会見で、エルドアン大統領はイスラエルによるソマリランド承認を強く批判した。「アフリカの角は外国勢力の戦場であってはならない」と述べ、地域の問題は地域諸国自身が解決すべきだと主張した。
この発言の背景には、トルコが近年アフリカの角地域で重要な地政学的プレーヤーとして台頭してきた事実がある。2024年、エチオピアがソマリランドの海岸線の一部をリースして港を建設する計画を巡ってソマリアとの間で深刻な対立が生じた際、エルドアンが仲裁役を果たし、より広範な紛争への発展を阻止した経緯がある。
ソマリランド外務省は、トルコの発言に対して「地域の緊張を煽ることは控えるべきだ」と反発している。
エチオピアの海への渇望
会見でエチオピアのアビィ首相は、130万人を超える人口を持つ国が海へのアクセスを拒否され続けることの不正義を訴えた。1993年にエリトリアが正式に独立して以来、エチオピアは1,350キロメートルに及ぶ紅海沿岸へのアクセスを失っている。
「敵の陰謀により、これほど長期間にわたって地理的な囚人状態に置かれ続けるのは正しくない」とアビィ首相は述べ、トルコに対して外交的圧力を行使し、平和的な海へのアクセス確保を支援するよう要請した。
ソマリランドとの取引が2024年に頓挫して以来、アビィ首相はエリトリア南部の港湾都市アサブ(国境から約60キロメートル)の所有権を主張し、必要であれば武力による獲得も示唆している。
複雑化する地域情勢
こうした動きは、エリトリアと国境を接するエチオピア北部のティグライ州での紛争再燃への懸念が高まる中で起きている。2020年から2022年にかけて続いた第一次ティグライ戦争では、エリトリア軍がエチオピア軍と共に地元のティグライ人戦闘員と戦った。
しかし、同盟関係は変化している。ティグライでの新たな紛争は、1998年から2000年にかけて10万人以上の犠牲者を出した壊滅的な国境戦争を戦った両国間の緊張を再び悪化させる可能性が高い。
地元メディアは、ティグライ州の都市部で軍事力増強の報告が続く中、住民の間でパニックが広がっていると報じている。同州の銀行では現金が不足し、公務員は1月の給与を受け取れず、不満がさらに高まっている。
国際社会の視線
イスラエルによるソマリランド承認は、国際法の観点から議論を呼んでいる。ソマリア政府は依然としてソマリランドを自国の一部と見なしており、アフリカ連合もソマリアの領土保全を支持している。
一方で、ソマリランドは30年以上にわたって事実上の独立を維持し、民主的選挙を実施し、相対的な安定を保ってきた。この地域の複雑な現実と国際法の原則との間の緊張は、他の未承認国家や分離主義運動にも影響を与える可能性がある。
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