トランプ氏の恩赦は「100万ドル」から？WSJが報じたロビイストによる高額ビジネスの実態

恩赦の価格は最低でも100万ドル。これは、一部のロビイストが提示している「大統領特権へのアクセス権」の価格です。ウォール・ストリート・ジャーナル（WSJ）によると、ドナルド・トランプ氏に近い人物たちが、恩赦を求めるクライアントから多額の報酬を受け取っている実態が明らかになりました。

ホワイトハウスへの「高額な近道」

WSJの報道によれば、このプロセスは非常にシンプルかつ露骨なものです。恩赦を望む人物がロビイストに100万ドルから、場合によっては600万ドルにのぼる手数料を支払います。その後、ロビイストはトランプ氏の息子など、ごく近い身内や側近を通じて大統領本人に働きかけるという仕組みです。司法省の正式な審査プロセスを経ることなく、金銭と人脈によって恩赦が「売買」されている可能性が指摘されています。

揺らぐ司法の公平性と倫理的懸念

大統領の恩赦権は、アメリカ合衆国憲法によって認められた強力な権限ですが、それが特定の個人の利益のために利用されることへの批判は絶えません。専門家は、このような「ペイ・トゥ・プレイ（金銭による便宜供与）」が横行すれば、法の支配に対する国民の信頼が根本から損なわれると警鐘を鳴らしています。一方で、関与が疑われているロビイスト側は、正当なコンサルティング業務であると主張しており、議論は平行線を辿っています。