トランプ大統領、イラン戦争の「出口」を模索中
トランプ大統領は20分の演説でイラン戦争の終結が「間近」と述べたが、核心的な疑問には答えなかった。ホルムズ海峡、地上部隊、和平案——霧の中の戦争の行方を読み解く。
ガソリン価格が4ドルを超えた。アメリカで約4年ぶりのことだ。そしてホワイトハウスでは、大統領が国民に向けて「勝利は近い」と語っていた。
トランプ大統領は現地時間4月1日夜、プライムタイムの全国演説に臨んだ。約20分間の演説で、彼は米・イスラエル共同軍事作戦の「中核的な戦略目標は達成間近」と述べ、戦争はあと「2〜3週間」で終わると予測した。しかし、演説を聞いた多くの専門家や市民が感じたのは、安堵よりも困惑だった。
演説で語られたこと、語られなかったこと
戦争は2月28日に始まった。トランプ政権が主導する形で、米・イスラエル連合軍がイランへの軍事作戦を開始してから、すでに1か月が経過している。演説の数時間前には、テルアビブにドローンとミサイルが着弾した——奇しくも、ユダヤ教の祭日「過越祭(ペサハ)」の始まりの日のことだった。
トランプ大統領は、この戦争をアメリカの「未来への投資」と表現し、過去の長期紛争と比べれば短期間で終わると主張した。「イランを石器時代に戻す」という強硬な言葉も繰り返した。だが、演説には重大な「空白」があった。
第一に、ホワイトハウスが数日前にイランへの受け入れを求めていた15項目の和平案について、一切言及がなかった。濃縮ウランの返還要求はどうなったのか。交渉は継続しているのか、それとも放棄されたのか——明確な答えはない。
第二に、世界の原油輸送量の約20%が通過するホルムズ海峡の問題だ。イランによって事実上封鎖されているこの海峡について、トランプ大統領の発言は矛盾していた。同盟国に「自分たちで取り戻せ」と促したかと思えば、戦争が終われば「自然に」再開するとも述べた。どちらが本音なのか、市場には伝わらなかった。演説後、原油価格は上昇し、株式市場は下落した。
第三に、現在中東地域に展開しつつある数千人規模の米海兵隊と空挺部隊の役割だ。彼らは何をするために派遣されているのか。地上戦への参加なのか、それとも抑止力としての存在なのか。この点も曖昧なままだ。
さらに、演説の直前にはNATO離脱を示唆する発言をしていたにもかかわらず、演説本文ではそのトピックが完全に消えていた。「キーメッセージになる」という事前のブリーフィングとは、大きく異なる内容だった。
なぜ今、この演説が重要なのか
トランプ大統領の支持率は低下を続けており、世論調査では有権者の過半数がこの軍事作戦に反対している。そして今年秋には、議会の主導権を左右する中間選挙が控えている。政治的な時計は刻々と刻んでいる。
日本にとって、この状況は決して対岸の火事ではない。日本はエネルギー需要の約90%以上を輸入に頼っており、その大部分がホルムズ海峡を通過する。原油価格の上昇は、製造業のコスト増加、電気料金の上昇、そして家計への直撃を意味する。トヨタや日産のサプライチェーン、東京電力や関西電力の燃料調達——すべてがこの海峡の動向と連動している。
日本政府はすでに中東情勢を注視しているが、NATO離脱示唆という発言は別の問題も提起する。日米安全保障条約を基盤とする日本の防衛体制において、アメリカの同盟へのコミットメントが揺らぐとすれば、その影響は計り知れない。
各方面からの見方
イスラエルのネタニヤフ首相は、トランプ大統領が示した「2〜3週間」という終戦スケジュールに同意しているのだろうか。現時点では確認されていない。イスラエルはイランへの攻撃を継続しており、両国の間で戦略的な目標がどこまで一致しているかは不透明だ。
イラン側から見れば、ホルムズ海峡の封鎖は最大の交渉カードの一つだ。この切り札を手放すことが、どんな条件と引き換えになるのか——それが和平交渉の核心だが、演説はその点を完全にスキップした。
ヨーロッパの同盟国は困惑している。「勇気を持て」と言われても、ホルムズ海峡での軍事行動に独自に参加する政治的・軍事的余力を持つ国は限られている。NATO離脱示唆の発言は、欧州各国の防衛費増額議論をさらに加速させるだろう。
記者
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