人命の価値をゼロにする?トランプ政権、EPAの大気汚染規制方針を抜本見直し
トランプ政権のEPAが、大気汚染規制のコスト・ベネフィット分析から「人々の健康ベネフィット」を除外する計画を進めています。40年続いた慣例の打破が公衆衛生と経済に与える影響を分析します。
40年以上続いてきた環境政策の根幹が、今まさに揺るがされています。ニューヨーク・タイムズの報道によると、トランプ政権下の環境保護庁(EPA)は、大気汚染規制を決定する際のコスト・ベネフィット分析において、人々の健康への影響を評価対象から外す計画を進めていることが明らかになりました。
トランプ政権のEPA規制方針転換:40年間の慣例を打破
1980年代のロナルド・レーガン政権以来、米政府は規制の経済的妥当性を判断するために「人間の命の価値」を金額に換算し、汚染削減による健康増進効果がコストを上回る場合に規制を導入してきました。しかし、新方針ではオゾンや微小粒子状物質(PM2.5)の削減による健康へのメリットを計算に含めない方針であるとされています。
PM2.5が及ぼす深刻な健康リスク
大気汚染の危険性は数十年前から指摘されており、特にPM2.5は、喘息や心臓疾患だけでなく、パーキンソン病、アルツハイマー病、2型糖尿病、さらには低出生体重児のリスク増加とも関連があることが近年の研究で判明しています。世界中では毎年、最大で1,000万人が大気汚染によって命を落としていると推計されています。
この動きに対し、米国商工会議所は歓迎の意向を示しています。同会議所のマーティ・ダービン氏は「常識的なアプローチで規制の再均衡を図る政府の努力を評価する」と述べています。一方で、イーロン・マスク氏のxAIが運営するデータセンターなど、電力消費の激しい施設が未許可の天然ガス爆発タービンを使用している現状もあり、公衆衛生への影響を懸念する声が強まっています。
記者
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