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暗号資産はもう「金融」ではなく「安全保障」だ
経済AI分析

暗号資産はもう「金融」ではなく「安全保障」だ

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トランプ政権の新サイバー戦略が暗号資産とブロックチェーンをAI・量子コンピューティングと並ぶ国家技術競争の柱に位置づけた。日本の金融・技術政策にも波紋が広がる可能性がある。

暗号資産を「投機」と見るか、「インフラ」と見るか——その答えが、国家の競争力を左右する時代が来るかもしれない。

2026年3月7日、トランプ政権は新たな国家サイバー戦略「Cyber Strategy for America」を公表しました。この文書が注目を集めているのは、単なるサイバーセキュリティの指針にとどまらず、暗号資産とブロックチェーン技術の安全確保を、AIや量子コンピューティングと同列の「国家的優位性」として明記したからです。

戦略文書は何を言っているのか

文書は6つの政策柱から構成されており、その一つが「重要・新興技術における優位性の維持」です。この項目の中に、次のような一節が含まれています。

「設計から展開まで、ユーザープライバシーを保護するセキュアな技術とサプライチェーンを構築する。これには、暗号資産およびブロックチェーン技術のセキュリティ支援も含まれる」

同じ段落では、ポスト量子暗号の普及促進、量子コンピューティングの安全確保、そしてAI技術スタック全体のセキュリティ強化も謳われています。つまり、ブロックチェーンはもはや「規制すべき金融リスク」ではなく、「守るべき国家技術資産」として位置づけられたのです。

この戦略は具体的な規制内容を定めるものではありません。しかし、連邦政府がブロックチェーンのセキュリティを経済・技術的リーダーシップの保護と結びつけて考えていることを、明確なシグナルとして発信しています。

ここに至るまでの道筋

この方針は、突然生まれたものではありません。トランプ大統領は2024年の選挙キャンペーン中から、暗号資産業界への強い支持を表明してきました。同年7月、ナッシュビルで開催された「Bitcoin 2024」カンファレンスに登壇し、米国を「地球上の暗号資産の首都」かつ「ビットコイン超大国」にすると宣言。バイデン政権下での規制強化路線を「反暗号資産」と批判し、終わらせると約束しました。

2025年に入ると、押収したビットコインを活用した「戦略的ビットコイン準備金」の創設を指示し、デジタル資産に関する大統領作業部会を発足。米国の中央銀行デジタル通貨(CBDC)の発行を禁止する一方で、ステーブルコイン法制として知られる「GENIUS法」の推進にも動きました。さらに、UniswapTronCoinbaseBinanceといった主要企業への訴訟が取り下げられ、業界への規制圧力は大幅に緩和されています。

ただし、戦略的ビットコイン準備金については、指示から1年以上が経過した現在も実際の準備金は形成されていません。政策の意図と実行の間にある「ギャップ」は、引き続き注視が必要です。

日本市場への波紋

この動きは、日本にとって対岸の火事ではありません。

日本はすでに2017年に暗号資産を法定支払手段として認める改正資金決済法を施行し、世界でも早い段階で制度整備を進めてきた国です。しかし、金融庁の規制は依然として保守的で、国内取引所への課税負担の重さや、機関投資家による参入障壁の高さが指摘されています。

米国が暗号資産を「国家安全保障の一部」として戦略的に位置づける中、日本が現在の慎重姿勢を維持し続けることは、技術競争における相対的な後退を意味しかねません。特に、ソニーグループが展開するブロックチェーンゲームプラットフォーム「Soneium」や、NTTが推進する分散型インフラ研究など、日本企業のWeb3領域への投資が本格化しつつある今、政策環境の整備は急務とも言えます。

一方で、米国の「安全保障化」アプローチには慎重な視点も必要です。暗号資産を国家戦略に組み込むことは、本来「非中央集権」を志向する技術の性質と矛盾する側面があります。国家が「守る」と言い始めたとき、それは同時に「管理する」ことへの第一歩になり得るからです。

本コンテンツはAIが原文記事を基に要約・分析したものです。正確性に努めていますが、誤りがある可能性があります。原文の確認をお勧めします。

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