米国半導体業界 2025年総括:Nvidiaの躍進とIntelの再編、そして関税の影
2025年の米国半導体業界を振り返ります。Nvidiaの570億ドルの記録的売上、Intelへの政府出資、対中輸出規制の変遷など、AIと地政学が交錯した激動のニュースをChief Editorが分析。
570億ドルという驚異的な売上と、二転三転する対中輸出規制。2025年の米国半導体業界は、AIブームの熱狂と地政学的な緊張が交錯する激動の一年となりました。新関税や国際合意で幕を開けた2026年の動向を読み解くために、昨年の重要な節目を振り返ります。
Nvidiaの独走と中国市場を巡る攻防
Nvidiaは市場の支配力をさらに強めました。2025年12月には、チップメーカーのGroqから200億ドル規模の資産を買収し、創業者を含む主要人材を雇用するという異例のライセンス契約を締結しました。業績面でも、第3四半期の売上高が前年同期比66%増の570億ドルに達するなど、データセンター事業が成長を牽引しました。
一方で、中国市場への対応は複雑さを極めました。米国商務省は一度は規制を強化したものの、12月には最新鋭のH200チップの販売を一部容認する方針転換を見せました。これに対し中国側は、国内企業へNvidia製品の購入を控えるよう求めるなど、米中間の「チップ戦争」は神経戦の様相を呈しています。
Intelの苦境と政府による異例の介入
老舗のIntelにとっては、構造改革を迫られた苦しい一年でした。米国政府は8月、既存の補助金を振り替える形でIntelの株式10%を取得すると発表しました。事実上の国有化に近いこの措置は、国内製造能力の維持を目的としたものです。また、SoftBankからも20億ドルの出資を受けるなど、資本増強に奔走しました。
経営陣の混乱も続きました。トランプ大統領(当時)がSNSでLip-Bu Tan氏の即時辞任を要求する場面もありましたが、数日後にはホワイトハウスでの対話が行われ、製造拠点の国内回帰について「生産的な議論」が交わされました。技術面では、18Aプロセスを採用した次世代プロセッサ「Panther Lake」を発表し、巻き返しを図っています。
2025年 米国半導体主要トピックス
関連記事
AIチップメーカーCerebras SystemsのIPOが成功。ベンチャー投資家が「渋々」参加した会議から始まった10年の物語が、半導体業界と投資の常識を問い直す。
AIブームを支える真の競争優位性はNvidiaのハードウェアではなく、CUDAというソフトウェア基盤にある。日本企業や開発者にとって何を意味するのか、多角的に読み解く。
NvidiaのCEO黄仁勲氏がAIによる雇用喪失論を否定。「AIは産業規模の雇用創出機」と主張する一方、信頼できる機関は米国の仕事の最大15%が消滅すると試算する。日本社会への影響を多角的に考察する。
米国防総省がNvidia、Microsoft、AWSなどとAI導入契約を締結。130万人超の軍人がすでにAIを活用する中、軍事AIの倫理と安全保障のバランスが問われている。
意見
この記事についてあなたの考えを共有してください
ログインして会話に参加