ロシア、ウクライナ南部の要衝オデッサへの攻撃を激化 大規模停電と海上物流に暗雲
ロシア軍がウクライナ南部の要衝オデッサへの攻撃を激化。大規模な停電が発生し、黒海経由の穀物輸出など海上物流に深刻な脅威が及んでいる。米主導の外交交渉も難航。
ロシア軍がウクライナ南部の主要地域オデッサへの攻撃を「組織的」に激化させており、広範囲にわたる停電を引き起こし、同国の海上物流インフラに深刻な脅威を与えています。ウクライナのゼレンスキー大統領は、この一連の攻撃をウクライナの海上アクセスを遮断しようとするロシアの意図的な試みだと非難しています。
ウクライナ当局によると、この1週間でオデッサ州は数百回に及ぶ攻撃を受けました。直近では日曜夜の空爆により12万人に及ぶ住民への電力供給が絶たれたほか、主要港で火災が発生し、小麦粉や植物油を積んだコンテナ数十個が焼失しました。
【タイムライン】オデッサ州への攻撃激化 - 先週: オデッサ東部のピウデニ港が弾道ミサイル攻撃を受け、8人が死亡、少なくとも30人が負傷。 - 週前半: 別の攻撃で女性1人が死亡。ウクライナとモルドバを結ぶ唯一の橋が一時的に寸断される。 - 週末: この事態を受け、同地域のドミトロ・カルペンコ空軍司令官が解任される。 - 日曜夜: 空爆で12万人が停電、港湾施設で大規模火災が発生。
【callout-info】 なぜオデッサが重要か? オデッサはキーウ、ハルキウに次ぐウクライナ第3の都市であり、経済の生命線である港湾都市です。ザポリージャ、ヘルソン、ミコライウといった他の地域の港がロシアの占領下にある現在、オデッサはウクライナにとって戦略的に極めて重要な拠点となっています。戦争下においても、ウクライナは世界有数の小麦・トウモロコシ輸出国であり、2023年8月以降、オデッサは黒海を通じた穀物輸出のための重要な回廊の出発点として機能しています。
ウクライナのオレクシー・クレーバ副首相は、戦争の焦点が「オデッサに移った可能性がある」と警告しています。一方、ロシアのプーチン大統領は12月初旬、黒海でロシアの「影の艦隊」のタンカーがドローン攻撃を受けたことへの報復として、ウクライナの海上アクセスを断ち切る可能性を示唆していました。「影の艦隊」とは、2022年の本格侵攻後に課された西側諸国の制裁を回避するためにロシアが使用する数百隻のタンカーを指します。
【引用】 > 「ロシアに圧力をかけなければ、彼らが本気で侵略を終えるつもりがないことを誰もが理解しなければならない」 > ― ウォロディミル・ゼレンスキー、ウクライナ大統領
こうした中、米国主導の最新の外交交渉がマイアミで終了しました。米国はウクライナとロシアの代表団と個別に会談し、楽観的な声明は出されたものの、約4年に及ぶ戦争の終結に向けた明確な進展は見られませんでした。
クレムリンのウシャコフ大統領補佐官は、ウクライナ側が提示した和平案の修正が「和平実現の可能性を高めることはない」と述べ、交渉は難航している模様です。さらにロシアのリャブコフ外務次官は、欧州連合(EU)諸国が米ロ合意を妨害しようとする「確固たる願望」を持っていると非難。「彼らはロシアの攻撃に対する偏執的な恐怖に取りつかれている」と述べ、ロシアにはEUやNATOを攻撃する意図がないことを法的合意で確認する用意があると改めて表明しました。
記者
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