「APT.」が25億再生を突破——K-POPはいかに「世界語」になったか
RoséとBruno Marsの「APT.」が2026年5月25日に25億再生を突破。リリースからわずか約1年7ヶ月でYouTube史上5位の快挙。K-POPの産業構造と日本市場への示唆を読み解く。
「酒飲みゲーム」の歌が、25億回再生された。
2026年5月25日午後11時(韓国時間)、RoséとBruno Marsによるコラボ楽曲「APT.」のミュージックビデオが、25億再生を突破しました。2024年10月18日のリリースから、わずか約1年7ヶ月という速度です。YouTube史上、これほど早く25億再生に到達したミュージックビデオは、この楽曲が5番目に過ぎません。
数字だけ見れば単純な「記録更新」のニュースです。しかし、その背景には、K-POPが産業として積み上げてきた10年間の構造変化が凝縮されています。
なぜ「APT.」はここまで広がったのか
「APT.」の原型は、韓国の飲み会でよく遊ばれるカードゲーム「아파트(アパート)」から来ています。韓国の若者文化に深く根ざしたこの遊びを、Rosé(BLACKPINKのメンバー)がソロデビューのタイミングで楽曲化し、グラミー賞15冠を誇るBruno Marsとのコラボレーションで世界に発信しました。
ここに、現代K-POPの戦略的巧みさが見えます。「韓国的なもの」を隠すのではなく、むしろ前面に出しながら、英語圏のスターと組むことで入口を広げる——この手法は、BTSが「Dynamite」(2020年)でグローバル市場に本格参入した時期から洗練されてきたアプローチです。ただし「APT.」の場合、歌詞の大半は英語であり、韓国語の固有名詞「아파트」だけが残る形になっています。「翻訳しない」という選択が、逆に異文化への好奇心を刺激した側面もあるでしょう。
また、Bruno Marsの参加は単なる「話題作り」以上の意味を持ちます。彼のファン層——北米、中南米、東南アジアにまたがる幅広い年齢層——が、K-POPに馴染みのなかった層も含めてこの楽曲に接触する経路を作りました。K-POPファンダムと洋楽ファンダムの「交差点」に楽曲を置く設計は、ストリーミング時代のヒット方程式として機能しています。
日本市場への視座——「記録」の外側にあるもの
日本は長年、K-POPにとって最重要市場のひとつです。BLACKPINKは2023年の東京ドーム公演で5万人以上を動員し、Roséのソロ活動も日本のチャートで安定した成績を残しています。「APT.」も日本のストリーミングチャートで上位に入りましたが、ここで注目すべきは数字よりも「構造」です。
日本の音楽産業は長らく「フィジカル(CD)重視」の市場として知られてきました。しかし2023年以降、日本でもストリーミング収益がCD売上を上回る年が続いており、消費行動の転換が加速しています。こうした変化の中で、YouTubeの再生数という指標が日本の音楽ビジネスにおいても「実力の証明」として機能し始めています。
ソニーミュージックはBLACKPINKの日本展開を長年担ってきた関係から、Roséのソロ活動においても深く関与しています。グローバルなストリーミング記録が積み上がるほど、日本国内でのライブ・マーチャンダイジング・タイアップ広告といった収益機会も拡大する構図です。「APT.」の25億再生は、ソニーグループにとっても無縁ではない数字と言えます。
一方で、日本のアーティストとの比較という視点も欠かせません。日本国内で最も再生されているJ-POPアーティストのYouTube総再生数と、K-POPの単曲での記録を並べると、プラットフォーム戦略における差が浮かび上がります。日本の音楽産業がこのギャップをどう埋めるか——あるいは埋めようとしないのか——は、今後の業界構造を左右する問いです。
K-POPの「コラボ経済」とトレンドの変化
過去5年のK-POPを振り返ると、グローバル戦略の重心が変化していることがわかります。2019〜2021年頃は、英語圏市場への「直接参入」(英語楽曲の制作、米国ツアーの拡大)が主流でした。しかし2022年以降、現地アーティストとのコラボレーションを通じた「橋渡し型」の展開が増えています。
RoséとBruno Marsの組み合わせはその典型ですが、同時期にはNewJeansがアメリカのブランドキャンペーンに起用されるなど、「K-POPアーティストが洋楽市場に溶け込む」のではなく「K-POPというブランドごと輸出する」方向性が強まっています。この違いは微妙ですが重要です。前者は同化戦略、後者はアイデンティティ戦略と呼べるかもしれません。
「APT.」が韓国語の遊びの名前をタイトルにしたまま25億再生に達したという事実は、後者の戦略が機能していることの証左の一つと読めます。
本コンテンツはAIが原文記事を基に要約・分析したものです。正確性に努めていますが、誤りがある可能性があります。原文の確認をお勧めします。
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