ロビンフッドの「スタートアップ投資民主化」が冷遇された理由
ロビンフッドが一般投資家向けに立ち上げた6億5840万ドルのスタートアップファンドが初日16%下落。投資の民主化は本当に可能なのか?
一般投資家がスタートアップに投資できたら、どれほど魅力的だろうか?ロビンフッドがその夢を現実にしようと立ち上げたロビンフッド・ベンチャーズ・ファンドIは、しかし市場から冷たい反応を受けた。10億ドルを目標に掲げたファンドは実際には6億5840万ドルしか調達できず、上場初日には16%も下落したのだ。
期待と現実のギャップ
このファンドにはDatabricks、Stripe、Mercor、Ouraなど8社のスタートアップが含まれている。手数料無料取引を普及させたロビンフッドが、今度は「最もエキサイティングな非上場企業への投資機会」を一般投資家に提供しようとした試みだった。
ところが、同じような試みで成功を収めたDestiny Tech100とは対照的な結果となった。SpaceX、OpenAI、Discordなど100社に投資するDestiny Tech100は、2024年3月の上場時に基準価格4.84ドルから9ドルまで急騰し、現在も26.61ドルで取引されている。純資産価値を33%も上回る水準だ。
「欲しい会社」がない現実
両者の明暗を分けた最大の要因は、投資家が本当に欲しがる企業への投資機会の有無だった。Destiny Tech100がOpenAI、SpaceXといった「次の巨大IPO候補」を保有する一方、ロビンフッドのファンドにはそうした企業が含まれていなかった。
ロビンフッド・ベンチャーズのサラ・ピント社長は「15〜20社の最高の後期成長企業」への投資を目指すと語り、CFOのシヴ・ヴェルマ氏もOpenAIへの投資を検討中だと明かした。しかし、これらの有名企業の株主名簿に名を連ねることは「非常に困難」だとピント氏も認めている。
民主化の壁は高い
有名スタートアップの株主名簿は厳重に管理されており、新規投資家が参加するには企業からの招待か、既存株主からの株式購入が必要だ。しかも「投資ラウンドは非常に高額」で、シリコンバレーに深いルーツを持つ企業でさえ参入は容易ではない。
日本の個人投資家にとって、この状況は二重の意味で興味深い。一つは、アメリカでも投資の民主化には限界があるという現実。もう一つは、ソフトバンクのような日本企業が、実は一般投資家よりもこれらの有望スタートアップに近いポジションにいるという皮肉だ。
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